Aug 27, 2010

カミソリ少女と身熱

5月末に出版した『幻影の足』について、ここで2つの詩誌で書評をいただきました。1つは竹内敏喜さんにより「異端とは突出すること」と題する『現代詩手帖』9月号、もうひとつは中本道代さんにより「情熱の系譜」と題する『交野が原』69号です。2つの書評に共通するのはタイトルにもある異端論です。竹内論はジャンヌ・ダルクを例とするカミソリ的な少女の突出性を、中本論では、1回限りを生きる身体の熱について、それを「身熱(みねつ)」と呼んで論じられています。本人の有働としては、お二人とも同じところに着目されて、それぞれの書き方で論じてくださっているとの感想を持ちました。さらに、詩は書いた本人を出て、詩として存在するのだな、という漠然とした気持ちも持ちました。
今回の詩集については、荒井隆明さんや中西弘貴さんから行き届いた分析を含むご読解をいただき、また鋭い1文を乗せたおはがきもお寄せいただいています。ネット上でもコメントをいただき、ありがとうございます。
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