Dec 31, 2007
2007年 今年の仕事
詩 「行合」ルピュール4号 1月エッセイ 愛詩添想4 ロレンツォ・マビリス「忘却の川」 同
詩「さよなら そして チャオ」 ルピュール5号 8月
詩「六歳の夏 広島駅を通った」付英訳 原爆詩集181人集 8月コールサック社
詩「逝く夏」梨ノオト③ いわき市日々の新聞 11月
詩「深く敗れた」コールサック59号 12月
連載「詩人のラブレター」毎月1回更新 ふらんす堂ホームページ
連載「R66」毎週1回更新 ウェブマガジンあそびすとサイト
エッセイ「私の仕事」街68号 12月
ウエブマガジン「あそびすと」のコーナーは週1回更新の27行以内の小詩の連載で、日常の感想が素材。
今年のいちばん気に入った仕事はルピュール5号の長詩「さよなら そして チャオ」だった。
Dec 01, 2007
ジョゼフ・デルテーユの『ジャンヌ・ダルク』
この秋、パリの詩人たちの主催するセミナーが相次いでいる。モルポワがフィリップ・ジャコテを読むセミナーをナンテールの第10大学でやっているし、コベールは自分の新詩集『60のキス』(「キス60コ」のほうがいいかな)を読む会と平行して、シュルレアリスムのエロティスムの見直しのセミナーをたて続けに組織している。そのプログラムの中で、「アンドレ・ブルトンとジャンヌ・ダルク」という気になるテーマに眼が留まった。ルーアンの女性研究家の講演らしい。「ブルトンはジャンヌ・ダルクが嫌いだった」とある。デルテーユは南部からパリに上ってきたおのぼりさんで、ブルトンのシュルレアリズム宣言に参加した。彼は叙事詩シリーズの第1作として『ジャンヌ・ダルク』を書き、1925年度のフェミナ賞を獲得した。露骨な滑稽趣味の文体を特徴とし、多分ブルトンと長く協働する作家ではないだろう。ラヴェルの作曲でオペラの企画もあったらしい。このシリーズで、ナポレオン、ドン・ファン、イエスⅡ世(!)など、タイトルを聞いただけでうんざりするようなキッチユぶりだ。ところで、木曜日に市ヶ谷の日仏学院にクリスチャン・プリジャンの講演を聴きにいったら、2000年4月に来日した前回よりずっと年令を重ねた、しかしあいかわらず美しい、プリジャンがこんなことを言った。「ブルトンは論理的な人で、音楽がわからない。だから、彼の詩は美しいイマージュを持っているが、3行ぐらいで崩れてしまう。」詩は乗り越えられるものだから、プリジャンは吸血鬼のように、ブルトンの美しい血を吸い尽くして、いらないところは捨てるのだな、と、わたくしはひそかに微笑んだ。