Nov 27, 2005

『スーリヤ』から

11月26日付け中日新聞のコラムに第4詩集『スーリヤ』の中の1篇の一部が引用されています。岡井隆さんの「けさのことば」というコラムです。どうぞよろしく。知らせてくれた春日井市の次兄に電話すると、「だがお前の詩は何だかさっぱりわからんな」とのこと、やっぱりそういことなのか!
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Nov 25, 2005

「メリザンドの娘」

1987年詩学社刊のわが第一詩集『冬の集積』から、しんがりの作品「メリザンドの娘」を、サイト「あそびすと」の有働のコーナーに採録してくださってあるのを読んで、馬鹿みたいに感心している。いいなーと思うわけ。再来年2007年になれば、20年前の作品というわけだけど、今こんなの書けないと思う。情熱がある、つやがある、真摯である、要するにポエジイがある。へえびっくり、と思った。手前勝手だけど、いいものはいい。素材も正確だ。それにおもしろい。魅力がある。まるで、他人事のように、自分の過去の作品を褒めるのは、もうそんな力を失った証拠だろうか。 このコーナーに取り上げてもらった作品のうち、これも第一詩集中の「古い手帳」という短い作品を、晩秋のパリで再読してくれた親友が、「思わずうずうずして」、フランス語に訳して送ってくれた。これがま た、すごくいい。ぱちっとしていて、クリスタルのボールのよう。へえ、わたしの詩ってこんなにいいんだ、と、これまたぼーっとなっている。いつか機会があったらお見せします。第一詩集ってやっぱりじぶんのいちばんいいものがぜんぶ出つくしてしまうものかもしれない。ではその後はどうしよう?そういえば「スーリヤ」になって、わかりやすくなりすぎたといわれたことがある。でもそのひと、以前、うどうさんのはわかりにくいからダメといった人なんだ。
夕方通りかかると、玉川大学のキャンパスの大きいもみの樹に、やぐらが組まれて、10人ぐらいの人が電飾を張っているのを見かけた。12月1日から点灯するそうだが、毎年すごくきれいです。こんなの見ると、うれしい。
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Nov 17, 2005

ロードスターで、走る!

今日の仕事の予定がキャンセルになって、ぽかんと空き時間です。
コマーシャルで、ソムソムソム、走る喜び!と歌っています。最近ではいちばん気に入っています。「スーリヤ」を書いていた頃、長男が置いていった中古のロードスターを使っていました。サスペンションの位置が低くて、ロードホールディングがいいので、ロードスターと名付けたとか。2人乗りのスポーツカータイプですが、あちこちに錆がでて、オリーブグリーンの車体もなんとなく惨めっぽく、わたしは自分の気分に合うのでまあ、気に入っていました。学生時代に免許を取ったものの、ずっとペーパーなので、運転はイサク、わたしは助手席専門でした。内装はクラシックで、温かみがあり、これは長男が最も気に入った所だったそうで。 今年、リニューアルされ、デグリーアップして、今年のカーオブザイヤーに選ばれたそうです。わたしが乗っていたころよりずっと高級車になってしまったのです。スズキが販促に力を入れて、さかんにテレビでこの歌を聞かせています。
その車は今は北九州の新設大学院の駐車場に雨ざらしになっているようです。人のなれの果て(?)を想像させられてしまいます。
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Nov 16, 2005

ドロップス氏がおもて、有働がうら

一昨日の書き込みを読み返して、違うなと思ったところがあります。定年退職して足を悪くなさったドロップス氏が、われ人生に悔いなしと正道を歩いています。筆の誤りと口を衝いて出てしまうわたしのほうは裏道です。いつも自分、自分と考えているので、冷静な判断がにごるのです。しかし、自分に適した生き方をして居るならば、どっちだっていいじゃないか。わたしは少々ひがんではいても、かなり幸福な毎日を過ごしているのだから。
あそびすとのほうのコーナーに今までの5冊の詩集から1篇ずつを選んで載せてくださってあります。プロデューサーのまりこちゃんは言います。詩集って電車の中で読むのにいいね。1行読んで、窓の景色なんか見ながら、ああだコーダといろいろ思っているのって楽しい。それに、うどーサン、「ウラン体操」はいやに攻撃的だね。5冊の中では「スーリヤ」だけがちょっと違うような気がする。どうしてかな。あと、カッコは使わないほうがいいんじゃない?カッコって何か思い入れがあるんで使うんでしょうが、カッコなんか使わないで、ちゃんと言葉で言ってよ、って思う。避けちゃうのよね。
今まで詩なんか読んだこともなかったと云いながらの批評、するどい!
と、大変幸せな気持ちです。
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Nov 14, 2005

「現代詩図鑑」9月号に

掲載していただいた「筆を選ばず」という詩が好評をいただき、うれしいです。自分でも、素朴な詩ではありますが、今年2005年春の記憶として、大切な作品です。ドロップス氏と自分との、つまり男女の社会的な生き方の微妙な違いを、ふだんの生活の中ではっきり感じとったシーンだったのです。この中年の男性は、おそらく私より、数年若いひとで、定年後まだ数年しか経っていないと思います。それでも、「あやまり」と「えらばず」の差はくっきりとしています。結論を言えば、ドロップスもらってよかった。ハッカをまぜて3粒、おいしかったですよ。わたしが自分の人生を失敗だったと感じているのと、ちょうど裏側で、からだにダメージを受けながらも、わが人生これでいいのだと自信を持てる人がいて、なお、周囲に対する感性と積極性を失わないで生きていく、自分とは違うけれど、うれしいことだと感じるということなのです。あれから酷暑をすごして、今は朝晩冷えますが、スーパーの棚でサクマドロップの缶を見るたびに、五月のお天気のいい午後のことを思い出しています。
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Nov 10, 2005

小菊が群れて

都合で、いつもは夕暮れ時の買い物の時間を早めて、午後に入ってすぐに出かけると、時こそまさに秋麗。 お天気がいいので、宝石のような時間のなかに居る。郵便局、宅急便、スーパー、コンビニでコピーと、用事を済ませ、駅前通りの賑わいにひたり、家に帰るのが勿体ないなーという感じで、でもレジ袋両手で振り子の婆さん人形のようなスタイルではレストランに入るのも気が引けて、通りなれた道を歩くうち、いままで行ってみたことのない角を曲がってしまう。行き止まりで他人の家の門前に出てしまい、ばつが悪い思いをするのも嫌なので、通り抜けられるかどうか、念入りに観察して道を選ぶ。急勾配の階段だったり、坂だったり、鋭く折れた曲がり角だったり。こんな入り組んだ細い道を歩こうと思うのも、秋のきれいな午後に誘惑されてのこと。こんな道どりは面白い。30数年の間近くに居てもきずかなかった風景に出会う。家々の周りに植えられた草花の風情はなんともいえない。今の時間なら人気もなく静まり返っている。いちばん目を引かれるのは満開の小菊だ。この乾いた秋の空気との取り合わせが絶妙ではないかと近寄ると、懐かしいにおい。小さな蜂がぶんぶんいって。抹香くさいと表現されるのだろうが、まっこう臭さがうれしいのだ。他の季節の散歩では味わえない、この「秋の」散歩は日常のなかに隠された至上の時だ。家に帰りつくと、わが家のボロさに、真夜中を過ぎたシンデレラの気分を味わわされるのだが。でもこのギャップ、まさにポエジーでしょ?
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Nov 01, 2005

ポール・ルイ・ロッシ 『夜の顔』

 ロッシさんから新しい詩集が送られてきた。フラマリオン社 octobre 2005,"Visage des nuits"で、オレンジ色の表紙のかなりヴォリュームのある本。外出のたびに持って出て、かどが白く擦れてきてしまった。前詩集の"La rivière des cassis"も美しい詩集だった。ロッシさんの文は claire という言葉がいちばんぴったりすると思う。洗い流された、といってもいい、きれいな水で顔を洗うような気分のするフランス語なのだ。けっして七面倒くさくない。ただこの詩人は、文体が年代によってすごく変るので、どの年代をとって、この人はこういう文体、と言い切るのが難しい。それがネックでなかなか訳がつけ難い。最近はすごくシンプルな短い詩と、詩的な散文の二つのタイプにまとまってきているようにも見える。この人は過去現在未来の人物を自ら生きてしまうみたいなワールドがあり、人の人生のある空白を読むような魅力がある。印象に残るのは、故郷ナントの街のそぞろ歩きで、中世にジル・ド・レーが処刑前に収容されていたといわれる塔があり、その高い窓からロワール川が見える。この景色を狂気の犯罪人はどんな思いで眺めただろうかというくだりで、自分もそこでそうやって景色を見ているような戦慄を覚えたのだった。そんな風なことがしばしばあって、怖い。
しばらく仏文の手紙を書いていないので、気になりながらまだお礼状が書けない。
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