Jan 23, 2007

合評会。

昨日の日曜日は、恒例の合評会でした。

まずは同人誌「ルピュール」四号が出来上がりました。
今回の装丁は三号までとおおまかには同じですが、
タイトルロゴ等が変わり、少し新鮮な雰囲気です。
各々の作品を見てみると、私としてはすでに読んだことのあるものが殆どでしたが、
この同人誌の中に並べられると、みんな改めて凛としたたたずまいを見せていて、
あるべきところに収まったという感じ。
秀作揃いです。

合評会の方は、これまた秀作揃いでいつもながら勉強になります。
宮越妙子さんの作品はなんと1962年作!というもので、
書かれた詩句が炭で壁に絵を書きなぐっていくような凄みのある作品でした。
宮越さんは現在も精力的に詩作を続けられていらっしゃいますが、
その根本が一貫してぶれていないところはすごいです。
白井明大さんの作品は、まだ生まれて間もない娘さんを離れたところでも感じる父親の心と孤独。
少ない言葉でその情景と感触を伝えきる技術を裏において、とても優しい詩に仕上がっていました。
精神的な感触と肉体的な感触が入り混じってひとつの気持ちが表れてくるところなど、
憎いほどにうまいです。
北見俊一さんの作品は、男の子が大人になり、ふと少年時代を振り返った瞬間に感じるあの感覚を、
実に巧みに表現して読み手の心をその感覚のある場所へと導いていく作品で、
私も思わずうなづいてしまいました。
高田昭子さんの作品は、その北見さんの作品への贈答詩。
北見さんの醸し出した感覚をまた違った角度から、いかにも高田さんらしいやり方で表現されていました。
同じ感覚でも違う書き手が書くと、詩人の特徴が非常に表れてくるところは非常に面白いです。
竹内俊喜さんの作品は、四つの独立した作品の間に寒山の詩を挿入することで、
また新たな表現を成そうとする作品。
ひとつひとつの作品は非常に完成度の高いものであるのに、
そこにとどまらずさらに表現を広げていこうという飽くなき探究心が強く感じられ、
ここらへんは私も見習っていかねばならないところです。
小網恵子さんの作品は、薄暗い虚構の図書館での出来事の様子が訥々と語られ、
その世界の様子はこちらの心の中にそのまま構築されていきます。
まるで悪夢を実際に体験しているようなその作品の持つ魔力は、
いつもながら流石と思わずにはいられません。

合評会が終わったあとは、いつものとおりの飲み会へ突入。
合評会が3時間で、飲み会が約6時間ですから、飲み会の方がよっぽど長いんですね。
あとから合流した久谷雉さん、なんともみ上げとひげを伸ばし始めていました。
ちょい悪オヤジを狙っているのか?
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