Oct 11, 2005

来るんでしょうか、

大地震。
統計から言うと、10月は大きな地震が集中する月なのだそうな。
巷の噂では10日がやばいということでした。
と言っても、さっき終わってしまいましたが。
しかしまだまだ油断できません。
パキスタンでも大変な地震があって、本格的に地球がおかしいですね。
大津波に巨大台風に大地震ときて、次は一体…。

先日、教育テレビで竹澤恭子さんというバイオリニストの演奏を見ました。
ブルッフのスコットランド幻想曲をやったのですが、素晴らしい演奏。
骨太かつしなやかで、コシの強い音が印象的でした。

私は以前バイオリンのCDに少々凝ったことがあります。
最近の演奏家のではなく、ずっと昔の奴。
チャップリンの無声映画でバックに流れているような。
バイオリンの音は、目を閉じて聴いていると、人の姿に見えてきて面白いです。

ミルシテインの音は、紳士がスマートに踊っているよう。
シゲティの音は、実直な男が直立不動で歌うよう。
エルマンの音は、人のいい気弱な男が、階段に座って物語を語るよう。
ハイフェッツの音は、最早人間の姿ではなく、妖精とか鳥のように、そこら中を飛び回ります。
以上は私の勝手な見え方ですが、繊細な楽器だからか、演奏者の個性が音にはっきり現れるようです。
だから聴き慣れていなくても、演奏者の違いがわかって面白く、しばらく色々と聴いていました。

今でも時々聴いてます。
私はシゲティが好きですね。
なんだか男の哀愁があって。
協奏曲なんかだと、バックのオーケストラが舞台セットとなって、その真ん中で切々と歌うやせ細った男の姿が見えてきたりします。

ところがなぜか新しい演奏家の演奏は、バイオリンの音からうまく像を見出すことが出来ないのです。
私が懐古主義だからでしょうか。
それとも音にこめられた人間性が、昔とは変化したのでしょうか。
あるいは音がよくなりすぎた所為でしょうか。

しかし竹澤恭子さんの演奏からは、明確に人間の姿を見ることが出来ました。
彼女はもちろん女性ですが、その音は力強くしなやかに踊るごつごつした体の男性の姿です。
うーん、久しぶりにバイオリンのCD買ってみようかな。
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