Jun 26, 2025

それぞれの行動

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アイスはみすずの家の室内の情景を
思い浮かべ、心に浮かぶ呪文を唱えて、
みすずの家に通じる
鏡の扉を生み出している。

その便利な魔法、いつか私も覚えたいなあ。
とヴィヴィアンが言っている。


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二人はみすずの家に到着した。
部屋には、タイミングよく、
みすずとディアナがいた。

お帰りなさい,
と言われている。

ちょうどよかった。
ディアナに話したいことがあるの。


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西の果ての雪山にある洞窟を潜り抜けたら、
その向こうに精霊たちの住む別世界があって、
その世界のお城に住むフクロウから、
ディアナのことを聞いたの。
ディアナという鹿の精霊は、
随分昔にそのお城に住んでいて、
今では行方不明になっているって。
とアイスが言った。

人違いじゃないでしょうか。
あ、鹿違いね。
とディアナが言った。

お城にディアナそっくりの鹿の肖像画が
飾ってあったから、
多分鹿違いじゃないわよ。
名前も一致するし。
お城やフクロウたちのこと思い出せない?
とヴィヴィアンが言った。


a4

思い出せないわ。
前にお話ししたかしら?
私は気がつくと、この森にいたの。
あの滝のそばで、みすずと出会うまで、
ずっとこの森で暮らしていた。
その前のことは思い出せない。
自分では、鹿だった自分が、
長い間森で暮らしていたら、
自然に精霊を宿したのだと思っていた。

ふーん。
でも本当のことを確かめるために、
精霊の国に行ってみない?
何か手掛かりが掴めるかも。

それはおっしゃる通りね。
私も本当のことを知りたいわ。


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アイスたちはディアナを連れて、
精霊の国のお城に戻ってきた。

ここ、懐かしい気もするけど、
気のせいかも。
と言っている。


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その頃、セリーヌとトロンは、
お城を出て、周辺の散歩をしていた。


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湖面に山影を映して、
綺麗な湖だね。

その時、上空を怪鳥が近づいてきた。


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怪鳥は急降下して、
まじかでホバリングして大きく口を開けた。

なんだ驚かないのか。
と言っている。

私たちは旅行者です。
洞窟を抜けてこの国に来たばかりなんですよ。
とトロンが言った。

なんだ俺と同じじゃないか。
俺はローゴスに誘われて、
忘れられた夢の世界に行ったんだが、
着いてみれば雪の山で、
ローゴスもその手下も恐竜もいない。
洞窟があったので抜けてきたら、
こちらは住みやすそうな天国のようだな。
どうだ、一緒に世界征服をしないか。

征服なんてするわけないでしょ。
私はセリーヌ、
夢食いのモンスターハンターよ。
ここは平和な精霊たちの国。
征服するというのなら消えてもらうわよ。
とセリーヌが言った。

なんとお前がセリーヌか。
誘う相手を間違えたな。

いいこと教えてあげる。
ローゴスもその手下もとっくに、
隣の夢の世界から消えてもらったのよ。
あなたは偶然出現する場所と時間を
間違えたその残党というわけ。

そ、そうだったのか。


a9

ちょっと用事を思い出した。
またな。

そう言い残して
怪鳥は去っていった。

二人は見送っている。

なんとなく哀れですね。
でもあの顔、怖くなかったですか?



解説)
続きます。
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