Feb 26, 2025
ペンギン界隈

今日も良い天気。
喫茶ペンギンの店内からは、
崖下の景色が楽しめる。

今週は暖かくなるそうね。
梅が綻んでるのをみたわ。
もうすぐ春ですね。
僕なんかずっとここに座ってますけど。
人が大勢いるから、
そういう人も珍しくないのよ。

店の前のテーブル席では、
ヴィヴィアンとノヴァが、
常連のミラとバグと話し込んでいた。

ノヴァさんが、迷いの森に行ってみたいって
いうんだけど、あそこは立ち入り禁止でしょう。
あなたたちはこの町に住んでいながら、
迷いの森の中にある管理局に通勤してる。
迷いの森に行く方法を教えてもらえないかな。
とヴィヴィアンが言った。

それはね。
管理局の職員専用の地下通路を通っていくの。
でも残念だけど、通路の存在は機密扱いで
一般人の使用許可はおりてないわ。
本部に申請してみる?
とミラが言った。
無理だと思うよ。
前にも夢魔のサルバドールが無断で使って問題になったから、
あれから管理が厳しくなったんだ。
とバグが言った。

やっぱりそうなんでしょうね。
僕が行ってみたいのは管理局本部じゃなくて、
迷いの森の方なんですが。
だったらフェンスの破れ目を見つけて
侵入してみたら?
町には、そうやって森に入って、
泉の水を汲んでくる連中もいるから、
聞いて見たらいいんじゃない?
でもね。あまりお勧めはしない。
まずフェンスはCGや軍の境界警備隊が
巡回パトロールしているの。
それに、森の中では何が起きるか分からない。
いろんな異世界に接しているから、
夢魔たちや魑魅魍魎がいる。
それに風景がどんどん変わるから、
戻って来れなくなる可能性もある。
私たち管理局のものだって、
森を抜けて管理局に行くのは一苦労なのよ。
それなのに、平気で泉の水を盗掘する人がいるって、
どういう事なんです?
まだフェンス付近の森なら大丈夫なのよ。
というか、人間が泉の水を汲んでくることは、
森自体が許しているっていうことかもしれない。
その水は「夢見の水」って呼ばれているわ。
水を盗んでくる人のことは、
その水を買い取る側の誰かに聞けばわかりそうね。
料理人とかロボット研究所のスタッフとか。

高台の休憩所では
トマソンが彫像の頭に帽子を被せていた。
こんなんでいいかな。

喜んでるみたいだよ。
タバコも吸うかしら?

彫像はタバコを咥えて
くゆらし始めた。
喜んでるみたいよ。
そうなのかなあ。
解説)
続きます。
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