Jan 19, 2025
姉妹の再会
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広場では平穏な日々が続いていた。
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ルルが植木鉢を並べて水をやっている。
ここのスペース、
魔術劇場が戻ってくるんじゃないですか。
その時はその時。
ここ殺風景だからね。
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佳奈は和服を着替えて
新そうなセーターを着込んでいる。
そのベレーは?
かっこいいでしょう。
倉庫にあったんです。
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サラとカコは鏡の扉を通って
デジャに現れた。
あらサラ。
もうホテルから戻ったの?
ハリーたちは元気だった?
そのお連れの方はどなた?
質問は一つづつ。
ご両親はお元気でしたよ。
こちらはカコ。
遠い世界から観光でみえたの。
あ、この人はヴィヴィアンと言って、
ハリーご夫妻の娘さんよ。
どうぞよろしく。
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二人はデジャを出て、広場を横切って
喫茶ペンギンに向かっている。
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サラさん。
と舞が声をかけた。
男の人がサラさんを探していましたよ。
なんか彫像の制作を頼みたいって言ってました。
サラさんたちの部屋の場所を教えてあげたんですが。
ありがと。
あとで部屋に帰ってみるわ。
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二人は高台の休憩所を通過している。
起伏があって風光明媚なところね。
そう見える?
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二人は喫茶ペンギン前の空き地に到着した。
いつものことで、
屋外のテーブル席でバグとミラが
お茶を飲んでいた。
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あら、カコじゃないの。
こんなところに現れるなんて。
何年振りの再会かしら。
とミラが言っている。
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忘れちゃったけど随分になるはずね。
お姉さんが管理局に就職してから、
ずっと会ってなかったから。
お姉さんがどんな環境で働いてるのか知りたくて、
この星に来てみたんだけど、
ホテルでここにいるサラと知り合って、
お姉さんのことを知ってるっていうんで、
連れてきてもらったの。
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ふーん。観光旅行のついでか。
いいわねー。私はここの元倉庫に住んで、
管理局の本部に勤めてるのよ。
毎日じゃないんだけど。
いつもここでお二人でお茶飲んでますよね。
とサラが言った。
そう見えるでしょ。
大抵そうなのよ。
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それにしても、管理局は
どうしてこの星に本部を構えたのかしら。
銀河系の中心部から3万光年も離れた辺境でしょう。
この星の生物種の文明も
特別に高度っていうほどじゃないみたいだし。
位置も距離も文明の程度もあまり関係ないのよ。
管理局のある領域は厳密にはこの宇宙とも別世界。
多種多様な異世界との交差点のような空間にある。
本部をこの銀河系宇宙のどこに置くかは
ほとんど局長の趣味なんじゃないかな。
あああの人ね。天使族の。
お姉さんをスカウトしにきた時、
一度会っただけだけど、あの時私も勧誘されたのよ。
ふーんそうだったの。
基本私たちって顔だけじゃなくて
考え方も似てるからね。
そーなのかなー。
などと二人の会話は続いていた。
解説)
続きます。
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