Sep 30, 2025
ハロウィーンの準備 そのはち

たまきは子供達と話している。
これって本当に起きたことでしょう?
エルマっていう人、
広場で見かけたことがあるよ。
今はギルダっていう名前。
郊外にこんなおうちがあったんだね。
行ってみたいなあ。

今度連れてってあげる。
ジャンさんはお庭を開放していて、
観光スポットになってるから、
行くのなら、ハロウィーンの後の方がいいかも。
とジェニーが言った。
ところで、この動画、続きはあるの?
と文学青年が言った。
それはまだ決めてない。
これだけで終わってもいいように
作ったのよ。
そうなのか。

その頃、バー・デジャでは、
ゼロが広場を見下ろしていた。

広場には万国旗も飾られていた。

随分華やかですよ。
明日からハロウィーン月間が始まるんだね。
今年は20周年記念とかルビーが言ってたけど、
なんのことだろう。

ドルフィンからリタが来て、
ハロウィーンの飾り物を配布していった。
ご苦労様。

そういえば、たまきの新作のYouTube動画で、
君が登場していたよ。
そうなの?
あとで見てみるわ。

リタはハロウィーンの宣伝パネルも
配布していったようだ。
アンジーが壁に貼り付けている。

宣伝パネルはマンゴー亭にも配られていた。
観光客らしき人が眺めている。

あのー。
私、YouTubeで「広場の四季」を見て、
観光でこの広場に来たの。
やっぱり実際にハロウィーン祭りをやるのね。
やりますよ。
特に目玉の催し物があるわけじゃないですが、
ハロウィーン当日までの1ヶ月、
広場は仮装コンテストの参加者たちで賑わいます。
私も参加できる?
誰でも参加できますよ。
登録すれば参加賞がもらえます。
そうか。どんな格好がいいかなあ。
コスプレのことなら、
私の友人のサラさんが
相談に乗ってくれますよ。
解説)
続きます。
Sep 29, 2025
ジャンのジオラマの村

サラはドルフィン工房で配布された
キャンドル付きのかぼちゃを
持って帰宅した。
広場はもうハロウィーン一色よ。
今年はどんな仮装しようかなあ。
などと話している、

喫茶ペンギンでも、
ハロウィーンの飾り付けが進んでいる。

狭いスペースだけど、
こんなもんかな。

はるなは
かぼちゃ付きのリースを
店のドアに飾っている。
どうでしょう?
いいんじゃない。

ジェニーたちの部屋にも、
子供達がキャンドル付きかぼちゃを運んできた。

すずちゃん、ご苦労様。
これ結構重かったんだよ。
途中は交代で持って来たんだ。
と圭が言っている。

今ね。
YouTubeに新作動画をアップしたの。
見てみる?
うん。
やったー。

子供達は新作動画「ジャンのジオラマの庭」
を見せてもらっている。
解説)
続きます。
Sep 28, 2025
ハロウィーンの準備 そのに

ハロウィーンの準備が
本格的に始まった。

お店の軒にデコレーションを
飾る。

ベーカリーでも。

フェルミもアンと一緒に
装飾用スタンドを建てている。

また賑やかになるわね。

プレートのAの文字がとれちゃってますね。
両面テープで貼り付けましょう。

去年と同じかぼちゃだ。
また飾り物として
近隣の家にレンタル配布するから、
手伝ってくれる?
子供達は喜んでいる。

なんとか飾り付けが完了したわね。

毎年のことだけど。

今年はこれ僕が被るんですか。
よく似合ってるわよ。
解説)
続きます。
Sep 27, 2025
ハロウィーンの準備

マンゴー亭での会合が終わり、
それぞれ帰り始めている。

なんだかサプライズだったわね。
本部に帰って、
警備会社設立の計画のこと調べてみるわ。
発展すれば、CG全体の在り方にも
影響しかねない。
私も内部調査をしてみるよ。
と将軍が言った。

ドーリスは、アンに
フェルミを紹介している。
人間の言い方だと、
僕の先輩になるんですね。
そうですね。

では、よろしく頼むよ。
わかりました。
メンテナンスについては?
1ヶ月だから特に必要ないだろう。
動力源は水だから、
本人が希望したら
与えてくれればいい。

みなさんお帰りのようですね。
私は肉まんを追加。

少佐たちの車が去り、
広場ではハロウィーンの準備が
始まった。

子供達が注目している。

フェルミは、ドルフィン前で、
佳奈たちと話している。
ドルフィン工房は、
マスターとリタがやっているけれど、
屋内はベーカリーのCGのメンバーも
共有して自由に使っているの。
私は佳奈。お隣にいるのがスーザンよ。
他にアイスとマヤがいるけど、
今は二人とも外出中。
椅子席に座っているのは、
マンスフィールドさんとボニー。
お二人はコスプレコンテストの審査員で、
大抵いつもこの席にいる。
みなさん、どうぞよろしく。

マンゴー亭では、
肉まんを食べ続けていたシェリー博士のところに、
サラとルビーが来て話をしていた。
フェルミの印象はどうでした?
ロボットは人間とは異なる外観を持つべきだという、
バトラー博士らしいデザインだと思ったわ。
さっきみただけでは戦闘能力はわからないけれど、
知能も結構高そうね。
人間に危害を加えるのを制御する装置は
組み込まれているんでしょうか。
どうなんだか。
警備ロボットという名目だけど、
実質は戦闘用ロボットだと思うわ。
ロボット研究所が軍やCGと協力して
作り上げたという話だけど、
警備会社の設立計画を、
少佐や将軍が知らなかったというのが、
ちょっと気になる。
軍やCGの中の一部のグループが、
結託して動いている計画じゃないかしら。
背後にグローバル企業や
政治家も絡んでいるかもしれない。
とルビーが言った。
警護ロボットが派遣されるようになれば、
シティポリスたちは失職したり、
あなたたちCGのような国際的な諜報組織も、
ロボットの傭兵主体の組織に変わっちゃうのかも。
それで世界が平和に近づけば
いいんだけどね。
解説)
続きます。
Sep 26, 2025
フェルミの紹介

会話は続いていた。
かなり重装備なのね。
ヘルメットやプロテクターが必要なの?
ふむ。
本当は装備する必要はないんだが、
警備ロボットらしい外観にしたんだ。
誰にでも警備ロボットだとわかるようにね。

ちょっと後ろを向いてみて。
ジェットエンジンも装備しているから、
空も飛べる仕様になっている。
必要あるんですか。
宣伝も兼ねているんだよ。

これはいわば戦闘用ロボットでしょう。
すぐに実戦にも使えそうだ。
警護ロボットとして一般に公開するということは、
問題あるんじゃないですか。
と少佐が言った。

軍やCGとも協議した結果の方針なんだ。
いずれ民間の警備会社を立ち上げることになっている。
世界中から警備の依頼が来るかもしれないが、
業務管理は独占的にその警備会社を通じて行うから、
機密漏洩の心配はない。

私はその話は聞いていないぞ。
まあ軍の中も一枚岩ではなくて、
そういうことを考えそうな連中もいるから、
わからなくもないが。
と将軍が言った。
CGでも事情は同じようなものね。
私も話がそこまで進んでいたとは
知らなかったわ。
と少佐が言った。

ともかくこの計画が軌道に乗れば、
ロボット研究所の将来も安泰。
世界でも紛争やテロが減って平和になるよ。
ということは、
その警備会社から警備ロボットを
紛争地域に派遣することも考えているの?
その場合は傭兵部隊としてね。
この国の軍やCGとは密接な協力関係にある。
君たちの大きな戦力になるんだ。

ドーリスはアンに話しかけていた。
アン元気でやってる?
はい。
しばらくの間だけど、
お仲間が増えるわよ。

ドーリス、
あのロボットのことだけど。
なあに?
警護って言っても
広場で観光客を監視するわけでしょう。
不審者をどうやって見分けるの?
私は詳しくは知らないけど、
識別システムが組み込まれているのよ。
武器など隠し持っていたらすぐわかるはず。
ふーん。

ドルフィンでは、
リタがハロウィーンの飾り物を
倉庫から出してきていた。

毎年、お馴染みのカカシね。
これ見るとなんかホッとする。
解説)
続きます。
Sep 25, 2025
フェルミ01 そのに

シェリー研究所から、
シェリー博士がやってきた。
あ、博士、
急にお呼び立てしてすみません。
マンゴー亭でバトラー博士がお待ちです。

広場に赤いワーゲンもやってきた。

車から降りてきたのは、
軍の将軍だ。

運転していたのは、CGの少佐だった。
急に呼ばれちゃってね。
と言っている。

あ、みなさん。
マンゴー亭でバトラー博士が、
お待ちです。
とドーリスが言っている。

なんだか慌ただしいわね。
ここにくる途中で、
バトラー博士が突然言い出したのよ。
フェルミの完成祝いをしたいって。
ふーん。

マンゴー亭には、
バトラー博士に呼ばれた人たちが集まったようだ。

これがフェルミ01。
研究所で開発された最新鋭の警護用ロボットだ。
開発には軍やCGの協力も得ている。
今日はそのお披露目で来てもらったんだ。
呼ばれた趣旨はわかったけど、
どうして私に?
私はもう研究所を辞めて久しいのよ。
もちろん君にこの成果を見てほしいからだよ。
昔のよしみというか、同じロボット研究者として。
自慢したかったの?
う、自慢というか、
この成果を見れば、君もまた
研究所に復帰してくれるかと
期待もしているんだ。

軍が協力して研究開発していた
ロボットが完成したというのは、
喜ばしいニュースだが、
寝耳に水なんで驚いたよ。
と将軍が言った。
私も驚いたわ。
CGの開発部門も一部協力してるけれど、
正直ロボット研究所には
あまり期待していなかった。
アンのこともあったしね。
と少佐が言った。

そうなんだ。
アンの事案以来、我々も危機感を持って
開発研究に勤しんできた。
これがとりあえずのその成果だよ。
フェルミ01は、
警護用ロボットとしてリリースされる。
この町のシティポリスの協力を得て、
試験的にシティーガードとして
1ヶ月間の運用が決まったんだ。
解説)
続きます。
Sep 24, 2025
フェルミ01

バトラー博士たちの一行は、
ルビーたちと出会って、
挨拶している。

お久しぶり。
広場にお見えになるとは、
珍しいですね。

うん。今日は君たちに頼みがあってきたんだ。
もうすぐハロウィーン月間だろう。
その1ヶ月間、またロボットを一体、
ドルフィンで預かってもらえないかと思ってね。

あれがそのロボットだよ。
フェルミ、こっちに。

フェルミ01というのが正式名称だが、
フェルミと呼んでくれたまえ。
お世話になります。
とフェルミが行った。

紹介していただいたフェルミです。
ハロウィーン月間の間、
この広場の警護をする任務を
授かっています。

あなたたちの代行業務なの?
突然、上から言われましてね。
ハロウィーンで予想される
観光客の増加対策だそうです。
私たちも補佐しますよ。

ドーリスがアンナに話している。
六人くらい座れる
貸切のテーブル席をお願いできませんか?
すぐご用意できますよ。

博士はドルフィンのマスターにも、
フェルミを紹介している。
突然のことで申し訳ないが、
以前のアンのケースと同じなんだ。
新型ロボットの試験運用と
ロボット研究所の宣伝のために、
ぜひ協力してほしいんだが。
全然構いませんよ。
解説)
続きます。
Sep 23, 2025
広場で

サラとたまきは広場にやってきた。
観光客は少ないが、
相変わらず大道芸人たちの演奏と
歌声で賑わっている。

たまきは、YouTube見てるわよ。
とアンナに声をかけられている。

ペギー、いつもここで聞いてるの?
あの歌声、癖になるのよ。

二人はベーカリーに行った。
みんなYouTubeを見ているので、
たまきはすぐに声をかけられた。

「広場の四季」面白かったわよ。
年中行事なら、ひな祭りやお月見や、
広場での七夕もあったわね。

詰め込みすぎるのもなんだからね。
YouTube、いつから始めたの?
7月の5日からよ。
これまでにアップしたのは23本。
まだ3ヶ月も経ってないんだけど、
ずっとやってる気がする。
次の予定は?
何も考えてないのよ。
自分の体験も載せてみたら?
そーねー。

ホテル・ナジャに行ったら、
ハロウィーンの仮装コンテスト、
今年もやるのかって聞かれたわ。
動物顔の魔法生物たちにとって、
年に一度の人間と交流できる機会なので、
みんな楽しみにしてるみたい。
一応普通にやるつもりよ。
そういえば、もうすぐハロウィーン月間ね。
飾り付けの準備をそろそろ始めないと。
その時、広場の中央の階段の方で
何人かの挨拶をする声がした。
あら、誰かしら。

二人が振り向いてみると、
数人の男女の姿が見えた。

あれはロボット研究所の、
バトラー博士と事務員のドーリスだわ。
この地区担当の
二人組のシティポリスも一緒にいる。
真ん中の人は誰かしら。
解説)
続きます。
Sep 22, 2025
スーラと一緒に そのはち

こんな感じのところだけど、
気に入ってくれたかしら。
もちろん。
今のリンリンさんって、
チンパンジーですよね。
それにカウンターにはペンギン頭の人が。
そう。
事情を話しておくとね。
このホテルを運営しているのは、
魔法の影響で賢く生まれたチンパンジーやゴリラや、
ヴィヴィアンの魔法によって
人間の姿になった魔法生物たちで、
犬猫猿鳥同盟っていうの。
ホテルの支配人は滅多に顔を出さないけれど、
マリアっていう魔族の娘さんよ。
ホテルの宿泊客は魔族の人間か、
裏の広場にある転送装置から来る宇宙からの観光客で、
普通の人間は滅多に泊まりに来ない。
そういう環境だけど、
普通の人に会いたければ、近くにマークの村がある。
さっきのフラハの家に行って、
頼めば、喜んで案内してくれるわよ。
ここを拠点に人間の姿の生活を楽しんでね。
私はこれから戻るけど、
その前に、ここに泊まっている
ハリー夫妻に挨拶をしに行きましょう。
あなたを紹介するときっと喜ぶわ。

二人はハリー夫妻が宿泊している部屋を訪ねた。
あら、珍しいお客様ね。
ハリー、サラが来たわよ。
とハリーの妻のカーミラが言っている。

自己紹介を済ませたスーラと、
ハリー夫妻との会話が弾んでいる。
水の精霊バルとは親しくしているが、
元素の精霊がみんな人間の姿をしてるとはね。
ヴィヴィアンさんの魔法のおかげなんですよ。
私たちは本来はそんな変身能力は持たないんです。
それで人間界をいつも見ていて、
私も憧れたりもしていたんです。
そういえば、バルもヴィヴィアンの魔法で
水たまりの氷から人間の姿になったんだったな。
ヴィヴィアンは私たちの大事な一人娘だが、
悪魔になってから、好き勝手に魔法を使っている。
もう手に追えなくてね。
あのー、私そろそろおいとましますね。
とサラが言った。
あらもう帰っちゃうの?
とカーミラが言った。
ええ。積もる話はまた今度。
ハリーさんたちは町には来られないんですか?
ハロウィーンには行くつもりよ。
じゃあその時お会いできるかもしれませんね。
では、スーラさんをよろしく。
了解。ヴィヴィアンに会ったら
たまには顔を出すように私が言ってたって
言ってね。

サラがホテルを出ると、
リンリンが気がついて追いかけてきた。
サラさん、
ちょっといいでしょうか?
ええ。
もうすぐハロウィーン月間ですね。
今年も仮装コンテストやるんでしょうか?
僕たちにとっては、変な目で見られずに、
人と交流できる年に一度のイベントなので、
みんな楽しみにしてるんです。
そうなんでしょうね。
仮想コンテストのことは特に聞いてないけど、
あなたたちがそう言ってたってルビーに話しとく。
ありがとうございます。
じゃあ、お気をつけて。

時は省略するかのように流れ、
サラは自分の部屋に戻ってきた。
おかえりーと言われている。

部屋にはたまきが来ていた。
相変わらず、
忙しそうだね。

二人は話している。
サラのアドバイスのおかげで、
YouTube動画「広場の四季」ができたのよ。
そのお礼と感想を聞きに来たの。
お礼なんて。
広場の年中行事を
まとめたら面白いんじゃないかって
思いついただけよ。
作品はコンパクトに
よくまとまってたじゃない?
年中行事って言えば、
もうすぐハロウィーン月間だね。
とジェットが言った。
またひと月のお祭りイベントが始まる。
そうだ、仮装コンテスト今年もやるんでしょうね。
ルビーに魔法生物たちが
楽しみにしてるって、伝えに行かなくちゃ。
とサラが言った。
私も付き合うわ。
ルビーたちの感想も聞きたいし。
とたまきが言った。
また出かけるんだ。
いいなあ。
とジェットは思っている。
解説)
続きます。
Sep 21, 2025
スーラと一緒に そのなな

サラとスーラは鏡の扉を抜けて、
フラハの家の裏庭の扉に出てきた。
ちょうどフラハに出会った。

サラはスーラを紹介している。
久しぶり。
何ヶ月になるかな。
今年のお正月、
招待券風割引券でホテルに来た時以来ね。
もうそんなになるか。

ここ道作ればいいのに。
とサラは思っている。

もうすぐそこ。

ここがホテル・ナジャの入り口よ。

サラは客室案内係をしている
リンリンに出会って話している。

フンボルトさん、お久しぶり。
お部屋空いてる?
ああ、サラさん。
空いてますとも。
お二人ですか。
あ、泊まるのは、一人。
そこにいるスーラさんよ。

リンリンが部屋に案内してくれた。
この部屋、私が前にも泊まった部屋ね。

部屋からロビーに出て、
サラはリンリンから、
最近の出来事を聞いている。
ずっとハリー夫妻が
逗留されていますし、
宇宙ステーションからも時々
変わった姿の方々が泊まりにきます。
だんだん有名になってるようで。
よかったわね。
解説)
続きます。
Sep 20, 2025
スーラと一緒に そのろく

今日は日が暮れるの早かったね。
一日中雨だった。

台風はあなたのおかげで
逸れたみたいだけど、
雨はいうこと聞かないのね。

雨は水の精霊の管轄ですからね。
それに本当は台風のような天候気象は、
大きな仕組みで動いていますから、
私みたいな風の精霊が
単独で影響を与えるような変化を起こすと、
また問題になりかねないんですよ。
進路を変えると、別の場所で被害が出ますから。
それも大きな計らいっていうわけね。
大丈夫なの?
今回は特別のお礼でやってるって、
台風の雲の渦に伝えておきましたから。
雲を掴むような話だなあ。
お湯を注げば出来上がり。
とジェットが言っている。

さてとスーラさん、
これからどうしようか。
広場や高台は見て回ったけど。
まだまだこの世界でこの姿でいたいんです。
この家で皆さんにずっとお世話になるのも
気が咎めるんですが。
だったらこうしましょう。
この世界のアフリカって呼ばれる場所に、
あなたのような変わった素性の人が
安全にずっと泊まれる
知り合いのホテルがあるの。
私はそこまで案内するから、
好きなだけそこを拠点に活動すればいい。
風の姿に戻って休みたくなったら
ここに戻ってくればいい。
それは嬉しいですね。
サラはまたアフリカに行くのか。
いいなあ。
とジェットが言っている。
私はすぐに帰ってくるわよ。
また出かけるかもしれないけど。

この扉から行けるんですか?
アイスから呪文を聞いてるからね。
鏡の扉が固定されて出現している場所があれば、
行き先の呪文を唱えると開くことができるわ。
普通は使うと一定時間で消えるみたいだけど、
アイスやヴィヴィアンは時間節約のために、
いくつかの場所で固定して使ってるの。
あなたにも呪文を教えるから
行き来する時使ってね。
解説)
続きます。
Sep 19, 2025
広場の四季

動画「広場の四季」が完成したのでアップしたよ。
一日で作ったの?
作り始めると早いのよ。

どれどれ。
なるほどねー。

あなたも登場するわよ。
特に浴衣姿が。
ここ読んだら、
見せてもらうよ。

部屋に戻っていたサラたちも
たまきから連絡を受けて、
YouTubeで「広場の四季」を見ていた。

広場の近くに住む人たちの
一年の暮らしぶりがわかりますね。
ここ数年はだいたいこんな感じね。
特定の事件や個別的な出来事は扱われてないから、
日記の目次の記録とは随分違うけど。
サラが一番目立ってるんじゃない?
それはそういうものなのよ。

台風が来るって天気予報で言ってたけど、
進路が逸れたみたいよ。
とメアリーが言っている。
解説)
続きます。
Sep 18, 2025
スーラと一緒に そのご

ペンギン前にたまきとナオミがやってきた。

新しいドリンクを始めたっていうんで
きてみたの。
やっぱり先客がいたわね。

あ、私たち、これから帰るところだったから、
席を交代するわ。

サラはスーラを紹介している。
ふーん。風の精霊か。
すごいね。

そのうちわ綺麗ね。
いろんな霊鳥の羽が
束ねてあるんですよ。

YouTube見たわよ。
しばらく作ってないんじゃない?
先月の29日にあげたのが最後だから、
あっという間にブランクが。
なんかアイデアを思いつかないのよ。
だったら、
広場の四季にしてみたら?
一年を通して広場の
催し物の様子をまとめるの。
それ大変そうだなあ。
でもやってみるか。

サラとスーラは高台の
休憩所に戻ってきた。
ドリンクおいしかったでしょ。
と言われている。
あのさあ。
西から台風が接近してるんだって。
と友恵が言った。

それを聞いたスーラは
西に向かってうちわで煽いでいる。
それって、
効果あるの?
解説)
続きます。
Sep 17, 2025
スーラと一緒に そのよん

あなたが風の精霊なのね。
局長から預かっているものがあるの。
とミラが言った。

え、局長って?
あなたは管理局のことはご存知?
ああ、大昔に聞いたことがあります。

管理局は、
今でもこの星の神々と繋がりがあるのよ。
あなたの封印が解かれたのを知った
風の神が、このうちわを、
あなたに渡して欲しいって、局長に頼んだの。
それで私は局長からその役目を
仰せつかって、
ここで待っていたというわけ。
ミラは、バッグの中から、
カラフルな羽根でできたうちわを取り出した。

随分素敵なうちわね。
これは私が大昔に愛用していたうちわです。
封印された時に取り上げられたんですが、
また返してくれるなんて。
私の封印が解かれたことを、
神々は知ったんですね。

ずっと忘れられていたと言っても、
封印が解かれたのはわかったらしいわ。
管理局はこういうことには関与しないんだけど、
今回は特別。
局長の知り合いの古い神々からの依頼だからね。

管理局との古いネットワークがまだあるんですね。
ヴィヴィアンさんがあっさり封印を解いてくれたので、
何かお咎めがあるんじゃないかと思っていました。
あの魔族の悪魔には注目してるのよ。
やりたい放題だから。
解説)
続きます。
Sep 16, 2025
スーラと一緒に そのさん

これからどうしましょう。
見るもの聞くもの
どこも新鮮なので、
お任せします。
郊外に行くのもいいけど、
まだ歩くと暑いから、
近場の高台の休憩所に行ってみましょう。

広場から近いのよ。
その階段を登ってわりとすぐなの。

二人は休憩所に着いた。
いつものように
ルルは花の手入れをし、
江本友恵はタバコを喫っている。
サラはスーラを
二人に紹介した。

風の精霊って、
ロマンね。
と言われている。
今日は風が無くて
暑いけど。

そうそう。
ペンギンに新しいメニューが入ったの。
冷たくて美味しいドリンクよ。
それは行ってみなくちゃ。
でもいつ行っても満席だから
問題ね。
外の席なら空いてる
可能性あるわよ。
いつも管理局の人が来ていて
相席になるけど。

眺めがいいですね。
この崖の下は森ですか。
立ち入り禁止で、
迷いの森って言われているの。
なんか不思議な感じの森だなあ。
スーラがそういうと、
風が少し吹き始めた。

サラたちは
ペンギンにやってきた。
やはり店内は満席状態で、
外のテーブルにはバグと
ミラが座っていた。
二人はサラの顔馴染みだ。

サラさんこんにちわ。
お二人なら、
外の席が空いてますよ。
相席になりますが。
とはるなが言っている。

これが噂のドリンクね。
と言っている。
解説)続きます。
Sep 15, 2025
スーラと一緒に そのに

サラはスーラを連れて
広場に出かけてきた。

あらまた新しいお客様ね。
あ、アンナ、あとで
お店に行くから、
肉まんを二人分お願い。
とサラが注文している。

それからどうなったの?
続きは見てないの。
などとエルザとエトナが話している。
広場はこのところ平穏なようだ。

サラはベーカリーに行って、
ルビーにスーラを紹介している。
こちらは風の精霊のスーラ。
あ、初めまして。
紹介ついでに今月のコンテストに
参加登録もさせてもらおうかな。

マンスフィールドさんが、
参加者名簿にスーラの名前を記帳している。
スーラさんて、珍しいお名前。
そういえば、同じ名前の画家がいたわね。
点描画で有名だった人。

同名なのは偶然の一致でしょう。
とスーラが言った。
でも世界が点描画みたいだったら面白いわね。
モニターの画像ってドットでできているんでしょう。
私たちは画像じゃないから。

登録を済ませたサラたちは、
マンゴー亭に向かった。
肉まん出来立てよ。
と言われている。

みなさんのお勧めだけあって、
これ美味しいですね。
そうでしょ。

二人は相席になった観光客のダイとも知り合った。
風の精霊に会えるなんて嬉しいなあ。
それも台風シーズンに来るなんて、
風のなんとかという物語に似てますね。
その作品では、風の精霊みたいな子供が
9月1日に田舎の小学校に転校してくるんです。
それ知らないなあ。
とスーラが言っている。
解説)
続きます。
Sep 14, 2025
スーラと一緒に

サラはスーラを連れて
自分の部屋に戻ってきた。

こちらはスーラさん。
風の精霊なのよ。

サラが帰ってきたの、
先月の2日以来じゃない?
忘れられた夢の世界の中で、
別世界のフィギアの精霊たちの住む
国につながる洞窟が発見されたりして、
いろいろあったのよ。
早速観光してきたの。
スーラさんは、その国で、
彫像の中に封印されていたのよ。

風の精霊というだけあって、丈夫そうな、
うちわをお持ちなんですね。
たくさんあるんですよ。
皆さんにも差し上げましょう。

スーラは背中のバッグから、
うちわを取り出して、
みんなに配った。

なんと心地よい風が起きますね。
今年の夏場に欲しかったなあ。
まだ残暑で暑い日があるそうよ。

ジェット、こっちの様子は
どうだったの?
8月は、7月からだけど、
ずっとたまきが配信する
ユーチューブ動画で盛り上がっていたよ。
まだやってたのね。
それなんですか?
とスーラが訊いている。

サラは留守中にアップされた動画を見ている。
これを見てると、
この町の人たちの暮らしぶりが
わかりますね。
とスーラが言った。
最近の広場のなんかは特にそうね。
そうだ。
もっとよくわかるのを、
たまきに作ってもらおう。
解説)
続きます。
Sep 13, 2025
ピリカと一緒に そのに

三人は森の中を歩いていた。
小型の肉食恐竜が
すばしっこくて、けっこう厄介なのよ。
なんていう名前の恐竜?
なんとかラプトルって言ったと思うけど、
恐竜の名前ならシノが詳しいわ。

やがて三人はシノの住む小屋に
到着した。

アイスが声をかけると、
小屋の中からシノとシェルニが現れた。
あら珍しいお客さんね。
と言っている。

ふうん。ピリカちゃんは、
子鹿のフィギアの精霊だったのね。
シノさんは?
私は夢食いよ。
いろんな人の夢に現れて移り住む生命体。
今は、この忘れられた夢の世界に
定住してるけどね。
あそこのダルマみたいな
ロボットはなあに?
私はシェルニです。
人類と機械軍との最終戦争の時、
避難用に作られたシェルター型ロボットです。
とシェルニは言った。
シェルニには、
この世界で仲良くなってから、
いつも乗せてもらっているの。
ピリカちゃんも乗せてもらう?

ところで、この肉まんは?
とアイスが聞いている。
それはこの前の5月初めに、
広場のコンテストで優勝した時、
マンゴー亭のご主人からレシピを聞いて、
作ってみたのよ。
肉は恐竜?

ちょっと近場を散歩してきます。
恐竜に襲われたら頭部をカプセルが覆うから、
安全よ。中でじっとしててね。
とシノが言っている。
ピリカはドキドキしている。

ところでアイス。
ここには何か用事があって来たの?
私がシェルニとこの小屋に戻ってきたのは、
6月の10日のこと。
あれから色々あったんでしょう。
その頃ヴィヴィアンが
この世界を探検したいって言い始めてね。
二人で北の海の向こうに小島を発見したり、
西の雪山の洞窟の向こうに、
フィギアの精霊たちの国を見つけたりしたの。
そのことをあなたにも伝えておこうと思って。
ディアナや私は、
随分この世界に住んでいたけれど、
最果ての世界のことは知らなかったからね。
でもそれっていずれ
みすずの家に行けばわかること。
それだけ?
アイスは私とピリカが散歩に行くのを知って、
ガードするために、
ここに来る用事があるから
一緒に行こうって誘ってくれたのよ。
とディアナが言った。
優しいね。
アイスは肉まんを食べている。
解説)
続きます。
Sep 12, 2025
ピリカと一緒に

みすずの家に戻った
サラとピリカは、
みすずとディアナに出会った。
あ、サラおかえり。
あなたに頼みたいことがあるの。

家に戻る時、スーラも一緒に連れて行って、
町を案内してあげてもらえないかしら。
いいわよ。
しばらく帰ってないから、
これから戻ろうと思っていたところ。
すぐ行く?
はい。
ディアナとピリカは
湖を見ている。

サラとスーラは鏡の扉で
サラたちの部屋に移動して行った。
二人を見送ったみすずが気がつくと、
ディアナとピリカは、
鹿の姿に変身していた。
お揃いで、お出かけ?
ピリカがこのあたりを見たいというので。
そういえば、ピリカは、
この周辺に出かけたことがなかったのね。
ここは常春じゃないけど、
いいところよ。

ディアナとピリカが
みすずの家を出ると、
アイスに出会った。
これから
散歩に出かけるのよ。
その姿は、ちょっと危険よ。
人間に変身した方がいい。
とアイスが言った。
恐竜は人間だと襲わないの?
そうともいえないんだけど、
作業用ロボットたちが
よく歩き回っているからね。
二足歩行する連中は、
だんだん厄介な相手だと
わかってきたみたいなのよ。
あ、これから私、
シノのところに行くんだけど、
散歩するなら、
一緒に行かない?

アイスと一緒なら安心ね。

ヤミーに、
お気をつけてと言われている。

ピリカは本物の恐竜見たことないの。
遊覧船の恐竜は見たけど。
ここにはたくさんいるから、
そのうち、いやでも目につくわよ。
などと話している。
解説)
続きます。
Sep 11, 2025
サラたちの散歩の続き

遊覧船ドラゴンドラで
湖を周遊したサラたちは、
高台で休憩していた。
楽しかったわね。
お花畑を通って
お城に戻りましょう。

常春っていうことは、
花はいつまでも枯れないのかしら。
あ、あそこにカマキリがいるよ。
とピリカが言った。

カマキリは近づいてきた。
こんにちわ。
ここはフィギアの精霊の国。
あなたもミニチュアのフィギアの精霊なの?
まるで本物みたいに見えるけど。
すごく精密に作られた
フィギアなんですよ。ガチャですが。

この世界を作った人は、
今も精霊の宿ったフィギアを補充してるのかしら。
私がいた時、カマキリのフィギアは
倉庫で見たことなかったから、
そうなのかも。
カマキリは
お城に向かう二人を見送っている。

お城の庭園に入る門の前で、
イブーに出会った。
今、大変なんですよ。
怪鳥がお城にきたんです。
怪鳥って、
みんなが探してた夢くいの
モンスターね。

二人が城門に向かうと、
そこでは話し合いが行われていた。
それで君は改心するから、
この世界に留まりたいというんだね。
まあそういうことだ。
この世界から消えて、
また別の夢の征服を目指すのが、
夢くいモンスターとしての使命なんだろうが、
ここが気に入ってしまったのでね。
住まわせてくれるなら、
統治に協力しよう。
協力の必要はないわ。
私はモンスターハンター。
私の使命はあなたのようなモンスター退治なの。
とセリーヌが言った。
セリーヌ。
あなたのいうのはわかるけど、
たまには例外もあっていいんじゃない?
とヴィヴィアンが言った。
この怪鳥、一応改心しているみたいだし、
私もあなたもいつまでもここに留まれるわけじゃない。
ローゴスのような夢食いモンスターに襲われた時、
最初に守ってくれるものがいれば助かるわ。
それは約束するよ。
と怪鳥が言った。
信用できるんでしょうか。
とオウルが言った。
あなた、名前はなんていうの?
名前を呼ばれたことなどないな。
じゃあ、アキースと呼ぶことに
しましょう。
アキースさん、その代わり、
一つ条件があるの。
とヴィヴィアンが言った。

ヴィヴィアンは、一同を促して、
カエルの彫像のある噴水まで移動した。
アキースさんはそこで暮らして、
時々国を巡回して、
オウルに様子を報告してね。
あとは自由にしていいわよ。
おお、そんなことでいいのか。
見晴らしいのいい住処も貰えるとは。
お安い御用だ。
ヴィヴィアンは呪文を唱えた。
呪文にはアキースの名前も入っている。
一瞬周囲に薄い煙が立ち上った。
なんだ今のは。
そのカエルの彫像にはね。
ずっと何千年もの間、
風の精霊スーラが囚われていたの。
スーラを解放したばかりで空っぽの器だったわけ。
約束を破ったら、
あなたも囚われるように呪文をかけたのよ。
そうしたら、あなたはもう
この世界から消えても、
2度と別の夢を渡り歩くことはできない。
約束を守ってくれるんだから、
問題ないでしょう。
う。
そんな契約はしてないぞ。
そういうものなのよ。

一同はお城の応接間に戻ってきた。
ヴィヴィアン。
さっきの契約のことだけど、
モンスターを消し去るよりきついんじゃない?
この世界から消えても、夢食いモンスターは
別の世界に移動するだけだけど、
あれだと、ヴィヴィアンが魔法を解かない限り、
永久に彫像に閉じ込められることになる。
とセリーヌが言った。
それが悪魔との契約ということよ。
とヴィヴィアンは言った。
ミネルバは、
怖いなーこの人、
と思っている。
アキースさんは、
名前も安住の住処ももらえて、
これからも自由にこの国で暮らせて、
よかったんじゃないのかな。
とピリカが言った。
ものは考えようですな。
とオウルが言った。
私たちは、お城や湖を見て、
遊覧船で観光できたし、
一面のお花畑も見れたし、
そろそろ、みすずの家に戻るわ。
とサラが言った。
ここも平穏になったようなので、
私も砂漠の家に戻ります。
ナディアやツナが来ていて、
ラルゴが留守番してくれているので。
とセリーヌが言った。
じゃあ私も付き合うわ。
とヴィヴィアンが言った。

それぞれ鏡の扉を使って
次の目的地に行くことになった。
その重武装、出番がなかったわね。
こういうことも結構あります。
ヴィヴィアンさんは
魔術劇場には戻らないんですか。
本当の姿で動き回れるのは、
こっちの世界だけだから、
もう少し羽根を伸ばしていたいの。
砂漠の果ては未調査でしょう。
そうですね。
羽根を伸ばすって、
ヴィヴィアンには実際に羽根があるからなあ。
とセリーヌは思っている。
解説)
続きます。
Sep 10, 2025
スーラと話す

スーラたち三人は
アイスとみすずを交えて、
応接間で話していた。
一応人の姿で知り合ったんだから、
これも何かの縁ね。
何かの時は協力しましょう。
何かの時って?
雨台風を起こしたい時とか、
森林火災を起こしたい時とか。

冗談はさておき、
スーラさんはどこでお休みになるの?
私は蓋のついた
空き瓶か何かの中がいいです。
無色透明で飛んでいってしまうので。

だったら、こんなのどう?
キッチンにあったんだけど。
とアイスが空き瓶を差し出した。
ずいぶん用意がいいですね。
それで十分です。
でも、しばらくは人間の姿でいたいなあ。

それはお好きなだけ、
その姿でいればいいのよ。
サラがフィギアの精霊たちの国から戻ってきたら、
どうせ町に帰るから、人間の住む町を
案内してもらったら?
肉まんが美味しいお店があるのよ。
それは楽しみです。

そこにフミコが通りかかった。
一緒に話さない?
ミミコがむずかっちゃって。

そよ風って便利ね。
と言っている。
解説)
続きます。

iMacのモニターの上に蜘蛛がいたので、
マウスポインターを動かして遊んでみた。
後を追ってくるのが面白い。
ちなみに状況を説明して、蜘蛛の画像を添付して、
ジェミニに蜘蛛の名前を聞いてみたところ、
ハエトリクモの可能性が高いという。
Wikipediaで検索してみたところ、
モニターのマウスポインターを追いかける事例が
載っていて、納得したのでした。
Sep 09, 2025
スーラの訪問

その頃、みすずの家にきたスーラは、
住人たちに紹介されていた。
こちらは夢食いのカエル王女、
隣にいるのが鹿のフィギアの精霊ディアナ。
向こうにいるのは、魔族のフミコと、
作業用ロボットのヤミーとヤッピーよ。
賑やかなんですね。
他にロボットのヤビーがいますが、
いまミミコのお世話をしています。

カエルの風神の彫像は元は
私たちの世界で祀られていたものなんです。
カエル大王の父がなくなったの嘆いていました。
先先代がコレクターに売っぱらってしまったとか。
とカエル女王が言った。
覚えていますよ。
私は封印されていましたが、
仲間たちから風の噂を聞いて、
カエルたちに風の便りを伝えたものです。
なんですかそれ。

フミコ、バーンやバルにも
紹介して差し上げたら?
とディアナが言った。
私もそうしようと思ってたところ。

フミコがスーラを寝室に案内すると、
器の中に炎が燃えていた。
バーンはあの中で寝ているんです。

フミコが呪文を唱えると、
薄い煙が立ち上った。

すると炎の中からバーンが現れた。
こちらは火の精霊のバーンさん。
あちらは風の精霊のスーラさんよ。
初めまして。

三人はキッチンに向かった。
ヤビー。あのポット、
どこにしまってあったかしら。
来られると思って、
テーブルに出しておきましたよ。

フミコがポットに向かって
呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼって、
バルが現れた。
ああ、よく寝たなあ。
何かご用ですか
と言っている。

三人は自己紹介しあって、
打ち解けている。
人間の姿になるって面白いですね。
特にすることないけどね。
あなたは青年っぽいけど、
顔はどこか女性っぽいわね。
四大元素の精霊に性別はないんですよね。
この姿になったのは、
ヴィヴィアンさんの趣味じゃないでしょうか。
どうして水の精霊は男性で
火の精霊は女性なのかしら。
彼女の考えてることは、
よくわかりませんねえ。
解説)
続きます。
Sep 08, 2025
サラたちの散歩

サラとピリカは
散歩に出かけることにした。
ミネルバに
湖畔の見晴らしがいいですよ。
と言われている。

庭園も綺麗ね。

二人はお城を後にした。

歩いていくと、
昼寝をしていたオオトカゲに出会った。
湖ならその先だよ。

オオトカゲは
あくびしている。

やがて見晴らしのいい高台に出た。
山紫水明ね。

湖畔に降りていくと、
巨大な恐竜が。

そこにフクロウたちが現れた。
お散歩ですか。
あれは本物じゃないんです。
ドラゴンドラという
遊覧船なんですよ。
お乗りになりますか。

フクロウがドラゴンドラの歌を
アコーディオンで弾いて、
サラたちは
観光気分を味わっている。
解説)
続きます。
Sep 07, 2025
それぞれに動く

みんなで話していると、
雪山に出かけていたアイスとトロンが
戻ってきた。

トロンの家に置いてあった
九官鳥の羽根を取ってきたわ。
洞窟の入り口も雪で埋め戻しておきましたよ。
とトロンが言った。
ご苦労様。
あ、こちらは風の精霊スーラさん。
噴水のカエルの彫像に封印されていたの。
こちらはアイスと、
夢食いのトロンさんよ。
どうぞよろしく。
とスーラは言っている。

さて、これからどうしましょう。
この国のどこかに、
ローゴスの手下の怪鳥が潜んでいるけど、
捜索するには広すぎる。
オウルが住民におふれを出したので、
見つかり次第知らせが入ることになっているから、
私はここで報告待ちね。
とヴィヴィアンが言った。
じゃあ私も付き合うわ。
とセリーヌが言った。
私とピリカはこの世界は初めてで、
見物に来たの。
お城を見学したり外を散歩してから
家に戻ることにする。
とサラが言った。
私は人の姿になったという
火や水の精霊に会ってみたいなあ。
とスーラが言った。
みすずの家に行けば会えるわよ。
私が案内しましょう。
とアイスが言った。
怪鳥退治には足手纏いになりそうだし、
私もアイスさんとご一緒に、
みすずさんの家に戻ります。
とラルゴが言った。
じゃあこれで決まりね。

早速サラとピリカは
お城の見学を始めた。
ご案内しましょう。
とミネルバが言っている。

随分立派な調度品があるのね。
この家具、倉庫で見たことがあるわ。
とピリカが言った。

三人はバルコニーにでた。
桜が咲いている。
住みやすそうなところね。
常春の気候なんですよ。

お城の庭を
オイレとイブーが散歩している。

その頃、アイスはスーラを
鏡の扉のある部屋に案内していた。
みすずの家は、
忘れられた夢の世界にあるんです。

二人は扉を抜けて
みすずの家に移動してきた。
あら、アイス。
お連れの方は?
私は風の精霊でスーラと言います。
彫像に封印されていたのを、
ヴィヴィアンさんに、
魔法で人間の姿にしてもらったんです。
それはようこそ。
解説)
続きます。
Sep 06, 2025
スーラとの会話

一行は城内の大広間に入った。
スーラさん、
ちょっと気になるんだけど、
あなたの背中のバッグには、
何が入ってるの?
ああ、団扇がたくさん
入っています。
ご覧になりますか?

スーラはバッグから、
団扇を取り出して見せた。
これは風の精霊のうちわです。
そよ風を起こせるんですよ。
それって、
普通のうちわと同じじゃないの?
まあそうですが、
気持ちいい風が吹くんです。

一行が応接間でくつろいでいると、
昼寝から目覚めたオウルがやってきた。
執事のミネルバから、
庭園の噴水の彫像の封印が解かれて、
風の精霊が現れたって聞きました。
ふむ。君がその風神なのか。

風神じゃありませんよ。
眷属ではありますが、私は風の精霊です。
そうかそうか。
早速だが、
どうして君が囚われていたのか、
よかったら事情を話してもらえるかな。
はるか昔の神話時代のことですよ。
ちょっとした弾みで、
大風を作っちゃって大きな被害を出したんです。
それを知った神々によって、
カエルたちが祀っていた風神の彫像の中に、
閉じ込められちゃいまして。
大昔のことでやがてみんな忘れてしまい、
時代が移り、その彫像がコレクターの手に渡り、
それをまた譲り受けた魔族の女性が、
自分で生み出したこのフィギアの精霊の国に
その彫像を持ち込んだということです。
ふむふむ。
私たちフィギアと同じような身の上だったようですな。
でもあの方は、なぜ、君の封印を
解かなかったのだろう。
分かりませんけど、
あの彫像の噴水が気に入ってたんじゃないですか。
私が宿っていると、
いつも周囲にそよ風が吹きますから。

風の精霊スーラか。
みすずの家には、
夢見の水の精霊バル、火の精霊バーンがいるわ。
バーボンハウスのある未来世界には、
樹木の精霊ミズハも住んでいる。
地殻変動も起こせるミズハは、
土の精霊に含まれると考えれば、
四大元素の精霊が揃ったのね。
とサラが言った。
みんな人間の姿をしてるんですか。
ミズハは別だけど、バルとバーンには、
ヴィヴィアンが魔法で人間に変身できる力を
授けたの。普段は水差しや銀の器の中で眠ってる。

四人揃うと何が起きるの?
何も起きないわよ。
ファンタジーゲームじゃないんだから。
それより、スーラさんに
この世界のことを色々説明してあげましょう。
などと話している。
解説)
続きます。
Sep 05, 2025
封印を解く

先月の8月2日、
フクロウの精霊たちのお城を訪れた
サラとピリカが、
執事のミネルバに案内されて、
ヴィヴィアンとセリーヌがいる
庭園の噴水に向かうところで、
止まっていたお話の続きです。

セリーヌさんたちなら、
カエルの彫像のある噴水にいますよ。
とオイレが言っている。

噴水の前にはセリーヌと、
ヴィヴィアンがいた。

あら、サラ。
この世界まで来たのね。
今、この彫像に
封印されているという精霊を
魔法で解放するところだったの。
そこで見物してて。
とヴィヴィアンが言った。

ヴィヴィアンが
彫像に向かって呪文を唱えると、
周囲に薄い煙が立ち上った。

すると、
なんと彫像の前に人の姿が現れた。
ありがとうございます。
封印を解いて人の姿にしてくれたんですね。
と言っている。

私の名前はスーラ。
風の精霊です。
風の精霊?
カエルの精霊じゃないの?
カエルの精霊たちが作った
風の神の彫像に
封印されていたんです。
ふーん、見かけは
どこにでも居そうな普通の人ふうね。

とりあえず一行はお城に
戻ることにした。
解説)
続きます。
Sep 04, 2025
Sep 03, 2025
買い物あれこれ

秋葉原に行ったバービーたちから
お土産にもらったの。
花火セットね。

花火セット。
アゾンで、単品売りで購入。
メーカー名不明です。

いろんなドリンクを始めたんですよ。
とはるなが言っている。
甘くて美味しいわ。

各種ドリンク。
それぞれ単品で、
アゾンで購入。
メーカー名不明。

ドルフィン倉庫に入荷した
医薬品セットです。
各家庭に支給してます。
とリタが言っている。
薬少ないね。
薬は各自準備してください。

これは秋葉原駅構内のガチャで入手。
ターリンの「お薬救急箱」(全6種)のうちの、
「救急箱B」と「お薬セットA」です。
箱だけ当たる確率が50%の危険なガチャでした。

というわけで、今回は、
秋葉原で入手したアイテムを紹介しました。
昨日掲載した、この焼売らしき小物も、
アゾンで単品で購入。
裏側にマグネットが付いています。
メーカー名不明。
解説)
続きます。
Sep 02, 2025
バービーたちの買い物

たまきたちはマンゴー亭で、
食事をしていた。

大きくて美味しそうな焼売ね。
写真撮っちゃおうかな。

何ていう焼売なのかしら。

そこにバーバラとBBがやってきた。
肉まんを買いに来たようだ。

久しぶりね。
動画見たわよ。
今日は秋葉原に行ってきたの。

なんと。
この暑いのに。

お店で着替えさせてもらっていいですか。
と訊いている。

二人はラジオ会館でかった服に着替えて
現れた。

いいなあ。
写真撮ってもいい?
と訊いている。
解説)
続きます。
Sep 01, 2025
コンテストの優勝者の発表

月が改まった。
モモコはたまきとダイと連れ立って、
マンゴー亭で待機している。

広場にルビーが
マイクを持って現れた。

みなさん。
先月のコスプレコンテストの
優勝者の発表を行います。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのはモモコさんのお知り合いで、
この広場に観光にいらっしゃった
ダイさんです。

やっぱりね。

ダイは割れんばかりの
拍手と喝采を浴びて
トロフィを授与されている。

うれしいですけど、
この審査、厳正中立なんでしょうか?
そこはそれなのよ。

月初めのコンテストの優勝者の発表は、
なんだか最近マンネリ気味ね。
と参加賞用のチョコを運び終えた
リタが言っている。
やっぱりまたこれかと、
思えるところが味わいなんですよ。
とボニーが言っている。
解説)
続きます。


