Sep 25, 2023
仮想世界で そのさん
![d1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d1.jpg)
君たちは先住民のようだね。
![d2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d2.jpg)
くんくん。
どうやら予想通りのようだ。
ミズハがお待ちかねだよ。
![d3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d3.jpg)
周囲に薄い霧がかかると
草地の中にぼんやりと
一本の木立が現れた。
木立のうろから顔が覗いている。
![d4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d4.jpg)
あなたはどなたです。
とツナが言った。
私の名はミズハ。
ここは戦火で瓦礫だらけになった
影のような、うつろな世界だと思っていたら、
どうやら勘違いだったようね。
というか、君たちは本当に
先住者なのかな。
もちろん。
私たちはずっとこの世界に住んでいました。
最近、急に森が増殖し始めたので、
その原因を探しに来たんです。
確かに増殖を始めたのは私よ。
私は荒廃した世界に恵をもたらす
緑化運動の推進者なの。
でもそのためには豊富な量の水が必要。
水脈を辿って南に動いていたっていうわけ。
ちょうど最適な地下水源を見つけて、
今は小休止しているところだけれど、
やがては東西にも緑地を拡張していく予定なの。
![d5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d5.jpg)
でもここは奇妙な世界。
先住民がいたというのなら話は別ね。
影のような存在ではなく、
そこの黒い服を着たあなたは、
アンドロイドの体なのに、
生命存在特有のオーラがある。
私がこの世界に来た時には感じなかった。
あなたが先住民で、
侵入者ではないという証拠はあるの?
![d6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d6.jpg)
私はこの世界に破滅をもたらしに来たわけではない。
滅びた世界を再生させるために旅するもの。
時空の歪みに導かれてここにやってきたのよ。
緑化計画を阻害する異世界からの侵入者は排除します。
あなたが先住民であるという証拠を見せて。
そういうと、周囲に薄い霧が立ち込めて、
次第にミズハという顔をもった木立も
ハリネと名乗ったトゲのある獣も消えていった。
![d7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d7.jpg)
今のはなんだったの?
理屈っぽくて、わかりやすいと言えば
わかりやすい説明だったけど、
なにか、すごい誤解があるようね。
ここは一旦ハウスに戻って、
みんなで相談しようよ。
![d8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d8.jpg)
やがてツナたちは、
バーボンハウスに帰り着いた。
![d9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230925202615.files/d9.jpg)
やあおかえり。
ナディアとドロレスなら
遅めのランチを済ませて
部屋でくつろいでいるよ。
とミトラが言った。
解説)
またややこしそうな展開に。
Edit this entry...
wikieditish message: Ready to edit this entry.
A quick preview will be rendered here when you click "Preview" button.