Jul 06, 2023
ドロレスたちの体験 そのよん
お、美味しい。
このぷりぷりした食感の
イカみたいなのはなあに。
それはナーガラの。
う。
でもいけるわ。
レイチェルはなぜか
空腹感を全く感じなかった。
やっぱり私はアンドロイドなのかな。
レイチェルさんは
お水を補給するといいわよ。
水がエネルギー源になる構造は、
戦争前からずっと変わっていないはず。
ああ、そろそろ
寝る支度しますね。
ドロレスさんには
ガレージで休んでもらうことになる。
私のぬいぐるみと毛布を使って。
ドロレスはガレージに案内された。
大きなケースの中で
植物が育てられている。
それも壊れたシェルターから、
運んできて使ってるの。
屋外でも野菜は育てられるけれど、
そのケースの中のものは、
栄養豊富ですごく生育が早いの。
眠れなかったら、
隣のドーダやコーダが、
話し相手になってくれるよ。
彼らも待機モードになってるから、
そのときは声をかけてね。
ツナが部屋を出ていくと、
ドロレスはベッドに潜り込んでみた。
全身の力が抜けて安らぐ感じは、
この世界にきてから初めて味あうものだった。
ドロレスは次第に眠気ももよおしてきた。
人間って面倒なんだなあ。
外界だけじゃなくて、
食べたり寝たり、自分の体とも
折り合いをつけながら生きているんだ。
もし眠って仮想世界の中で夢を見たら、
どんな感じなんだろう。
どんどん話が現実離れしていくなあ。
などと思っているうちに
ドロレスは眠りに落ちていった。
解説)
植物入りのケースは、
トマトの四個入りパックを利用しています。
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