Jun 29, 2023
レイチェルの体験 そのに
バイクはどんどん近づいてきた。
運転しているのは若い女性のようだ。
バイクは真近に来て停車し、
女性はレイチェルに声をかけた。
こんにちわ。
あなたがドロレスさんね。
いえ、私はレイチェル。
ドロレスは私の友人よ。
二人でこの世界に来たんだけど。
あなたはどなた?
私は、ツナ。
夏目ツナと言います。
二人で来たなんて驚き。
歓迎しますよ。
それはどうも。
そのスーツ姿似合っていますね。
あなたは戦士タイプのアンドロイドかしら。
え、私は人間よ。
こう見えてもロボット学者なの。
これはアメコミのコスプレで。
その時、レイチェルの背後で、
ブーンという音が高く聞こえた。
物体が完全に始動したようだ。
そうそう、私ね。
ここにミトラの修理に来たの。
さあ、立ち上がって。
とツナが言った。
物体は立ち上がると、
普通の人間の背丈より
ひとまわり大きな姿を現した。
全身は甲冑のような
金属製のパーツで覆われている。
ツナが脇腹のスイッチを押すと
胴体の前面を覆うパーツが開いて、
内部に収納されている機械部分が見えた。
ツナは手早く上部から
パックになったケースを引き出すと、
交換作業を始めた。
これは私たちが「お弁当箱」と呼んでいる、
ミトラのエネルギーの供給装置なの。
横で内部の機械類をずっと観察していた
レイチェルは、
そこの右下の配線部分、
一箇所ポイントがズレてるよ。
それだと右足の駆動に無理が出るはず。
と言った。
え、レイチェルさん、
すごいね。
前からミトラに言われてたんだ。
よく寝起きに足が攣ることがあるって。
原因はこれだったんだね。
戦闘型でも優秀なアンドロイドだね。
だから、私はアンドロイドじゃなくて、
ロボット学者だって言ったでしょう。
これでもロボット研究所に
長年勤務してたんだから。
解説)
続きは次回に。
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