Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

春風に吹かれて

トムは町に向かって
バイクを走らせていた。




町を訪れるのは初めてだが、
デイリープラネットの連載記事で、
大まかなイメージや道順は頭に入っている。




この森の傍のフェンスのある道に出ると、
もうすぐ町に到着するはずだ。




おや、女性が手を挙げている。
ヒッチハイカーのようだ。




バイクを止めると、
女性が話しかけてきた。

ロボットやドラゴンがいて、
コンテストやってる町に行きたいんだけど、
道に迷っちゃったみたいで。

それなら、これから行くところです。
乗ってきますか？





ああ、よかった。
私はたうえうた。
うた、って呼んでね。
と女性は言った。


僕はトム。
懐かしいようなお名前ですね。
そうかしら。




田上うたはバイクに乗せてもらい、
二人は出発した。




ベーカリー前の広場では、
ヴィヴィアンが
船長にジェイソンを紹介していた。




初めまして。
私は幽霊船の船長をしている
クックドゥーと言います。
あなたの名前、初めて聞いたわね。
キャップテン・クックドゥーか。
美味しそうな名前ね。




幽霊船の船長だなんて、
すごいですね。
冒険の話とか、いろいろ聞きたいな。
これからうちに遊びにきませんか？
とジェイソンが言った。

船長は嬉しくて
涙をこらえている。



解説）
出会いは様々。

久しぶりに屋外で撮影しました。

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