Mar 28, 2023
局長の休暇 そのよん
シュレディンガー!
彼は夢や異世界を渡り歩いている夢食い。
数年前から居場所がわからなかったけれど、
女の子の深い眠りの底にいたとはね。
魔術師たちの間では、
百猫の王とも呼ばれる伝説的な存在で、
私も噂でしか知りませんでしたよ。
管理局ではお尋ね者なんですか。
彼は夢を保守するタイプの夢食いで、
普通は猫嫌いの人以外には無害だから、
お尋ね者というわけじゃないの。
ただ管理局としてはなるべく、
特異な夢食いの潜む異世界は把握していたいわけ。
それができないケースがほとんどなんだけどね。
ああ、なんでこんな仕事の話を。
その時、
私の名前を大声で叫んだのは誰かな。
と言いながら、人面のライオンが
魔法のドアからのっそりと姿を現した。
どうも聞き覚えのある声だと思ったら、
管理局の局長さんではないですか。
直々のお出ましとは、何か問題が?
ああ。問題は特にないのよ。
ここには休暇中で遊びに来ているだけ。
管理局ではあなたをずっと探していて
所在が確認できたので、
監視役をつけたいところだけど、
その必要もないみたいね。
それはどうも。
それにこの部屋には魔法使いや悪魔もいる。
変身した悪魔を見るのは久しぶりだなあ。
君の名前は?
私は魔法使いハリーの娘のヴィヴィアン。
話を聞いていると、管理局を煙に巻いて
自由に夢を渡り歩いているなんて、
どうもあなたとは気が合いそうね。
この世界でその姿では不便でしょう。
お近づきの印に人間にしてあげる。
あ、お前また。
とハリーが言った。
ヴィヴィアンが呪文を唱えると
薄い煙が立ち上り、
人面のライオンは人間に変身した。
これはこれは。
どうもありがとう。
こんな姿になったのは何百年ぶりのことだろう。
そういう向こうみずで怖いもの知らずなところ、
あなたとは確かに気が合いそうですね。
とシュレディンガーは言った。
解説)
どうなるのでしょうか。
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