Mar 13, 2023
ロボットの記憶
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a1.jpg)
私がロボット研究所に招かれて
研究開発チームに参加したのは2015年から。
研究所は今の場所に移転して、
所長もバトラー博士に代わって、
助手はレイチェルが務めていた。
私が初めて手がけたのは、
人型作業用ロボットの頭部デザインだった。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a2.jpg)
でもそのロボットは、
設計ミスがあったために暴走して
特殊部隊とCGたちが出動して
破壊されてしまったの。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a3.jpg)
そのロボットの頭部が、
ドルフィンの倉庫に残っているのを、
アンが見つけて、僕を作ったんですね。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a4.jpg)
その時壊れたボディパーツも、
ドルフィンの倉庫に保管されていたのを、
あとでサラさんが見つけて組み立てて、
頭蓋骨のお父さんの外出用に使っているから、
ロボットの破壊は無駄ではなかった。
不思議な巡り合わせね。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a5.jpg)
その後のことは
あなたも知っているんじゃない?
私はロボット開発に関する意見の相違で、
バトラー博士と対立して結局研究所を辞めたけど、
彼らは最新鋭の認識回路KSシステムを組み込んだ
作業用ロボット、アンを開発して、
行動実験のためにベーカリーに貸し出した。
アンは自分のコピーとしてあなたを作って、
その時、記憶回路も全てコピーしたから、
あなたは全て覚えているでしょう。
うん。僕はアンの記憶を引き継いでいますから。
アンは間違えて夢見の水を飲んだおかげで、
KS認識回路が覚醒してしまったんだ。
その新しい能力を研究所に知られるのを防ぐために、
アンはあなたと協力して僕を作り上げて、
全てを僕にコピーして抜け殻みたいになっちゃった。
それもアンが計画したことだけど。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a6.jpg)
ドロレスから聞いて知ってると思うけど、
路線対立が原因でロボット研究所を辞めた私は、
ジルさんから資金援助を受けて、研究施設を設立したの。
でも、人型ロボットのドロレスを開発中に、
研究施設で謎の爆発事故が起きて、
ドロレスは行方不明になってしまった。
それで、私はドロレスを探して欲しいって、
この探偵事務所を訪ねたのよ。
ドロレスがもしどこかで無事でいるなら、
きっとアンの噂を聞いてこの町に来るはずだって、
確信してたから。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a7.jpg)
私はあの時必死で仲間を探していた。
爆破事故の捜索で軍やCGにも追われていたし、
私たちロボットをコントロールしようとする
人間たちとは共存できないと思っていたの。
でも私を作ってくれたシェリー博士は別。
それに探偵事務所の人たちに匿ってもらって、
仲良くなれて今では感謝しています。
あとね。それまで人間は敵だと思っていたけれど、
この町で暮らしているのが、
人間ばかりじゃないことにも気がついたの。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a8.jpg)
その時、クロたちがやってきた。
今日はブルマンデーですよね。
コーヒー飲みたいんですけど、
席空いてますか。
と言っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230313202347.files/a9.jpg)
それは言えてるわね。
とシェリー博士は言った。
解説)
今回はロボットの画像の再掲です。
2015年6月7日「ロボットの始動」
2015年6月13日「ロボットの暴走」
2022年2月24日「春をまつロボット」
よりピックアップ。
ロボット研究所でアンが作られて、
ベーカリーに貸し出されてからの経緯は、
2022年2月24日「春をまつロボット」から、
ミューが作られてアンが今の状態に落ち着く、
2022年5月11日「5月の晴れた日」までに、
おおよそ描かれています。
しかしその間に狐の精霊の姉妹の話や、
魔術劇場のハリーの話が、
並行して進行しているので
断続的な連載になっています。
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