Mar 03, 2023
家の記憶
やがて日が暮れた。
取材を終えたケントは
お茶を飲んで、いもチョコを食べている。
ここ十数年、この町に
あまり大きな変化がないことはわかりました。
でもジェニーさんの環境は変わったんでしょう?
それはもう。
何度引っ越したか分からないくらい。
最初の頃には、それはそれは
大きな家に住んでいたこともあったんです。
あの家では私たちも一緒だったのよね。
とナオミが言った。
でも、しばらくして
私とたまきはバンブーハウスを新築して
引っ越したの。
バンブーハウスは
緑が多くて作業室や多目的ルームもあって
便利で住みやすかったわ。
懐かしいね。
僕もしばらく後だけど、
留守番しながら執筆できるっていうんで
バンブーハウスで暮らすようになったんだ。
と文学青年が言った。
CGたちが町に住むようになって、
銀河食堂ができたのもその頃のこと。
ルビーやアイスが経営する銀河食堂は、
今のベーカリーの前身みたいな店だった。
なるほど。
十数年の間に
町の市街地には大きな変化がなくても、
住人の皆さんの生活環境には
それぞれ変化があって
それぞれの思い出があるのですね。
プライヴェートなことは記事にはしませんが、
興味深いお話でした。
とケントは言った。
解説)
今回は家屋の画像の再掲です。
順に。
2005年12月3日「家の撮影」
2006年5月8日「バンブーハウス」
2006年8月29日「銀河食堂の夜」
文学青年が思い出しているのは、
2008年10月13日「留守番の青年」。
などの時期のことなのでした。
こういうことをしていると、
人形の持つ個別の思い出とは何か、
などと考えてしまいます。
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