Jan 04, 2023
夢のお土産
広場では連日
凧あげが行われていた。
ひそこも一緒に
嬉しそうに飛び回っている。
サラの帰りがあまりにも遅いので、
心配したジェットが
魔法劇場を訪ねて
エヴァに声をかけていた。
心配ないわよ。
サラならクリスマスから
ずっとベッドで寝てるから。
と言われている。
その時、劇場の魔法の扉から
ヴィヴィアンが顔を出した。
サラも後から出てきた。
ヴィヴィアンはサラを
見送りに出てきたのだった。
あれ、なにこれ。
とサラは、もぞもぞとした動きを感じて、
パーカーのポケットを見ている。
そこにはカメが入っていた。
サラ。帰りが遅くて、みんな心配して
代表で様子を見にきたんだよ。
とジェットが言った。
それはありがとう。
もう一週間も経ったのね。
向こうの世界では、
あっという間だったんだけどね。
そのポケットのカメ。
うん。なぜかいるのよ。
いつポケットに潜り込んだんだろう。
よく考えて思い出してみて。
とヴィヴィアンが言った。
あなたメルティの部屋で、
カメのこと話題にしなかった?
うーん。メルティと話していて、
干支のウサギが話題になって、
普通ウサギといえばカメでしょう。
って言ったことを思い出したけど。
そう。きっとそれね。
そんなことってあるの?
夢の中でウサギは見かけなかった?
そういえば、
眠りから覚める前に
雪山のようなところで白ウサギを見たわ。
その時転ばなかった?
サラはそう言われて、
そういえば林の間の道を歩いていて、
一度滑って転んだような気がしてきた。
その時ポケットに入り込んだのよ。
とヴィヴィアンは言った。
そのカメはサラの言葉が
夢の中で実体化したもの。
ついてくるなんて、
よほどあなた好かれたのね。
そのカメ、この「カメ新聞」に載ってる、
リクガメの幼体みたいだよ。
すごく可愛いいね。
とジェットが言った。
どうしてそんな新聞持ってるの?
この前、広場で拾ったんだよ。
この世界ではサイズが小さいから、
大きくしてあげましょう。
とヴィヴィアンが言って、
カメを注視して呪文を唱えた。
すると薄い煙が立ち上り、
カメは大きくなったのだった。
解説)
サラの異世界訪問の
お土産のような出来事が
起きたようです。
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