Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

訪問者とセリアのこと

日が暮れて女性がやってきた。




多恵はインタヴューを申し込んで、
お忍びなのでご遠慮ください。
と言われている。




しかしカメラマンは
カメラを回している。




ドベルブチュエル。
メ　ヴェセリ。
話されているのはスロベニア語のようだ。




多恵は隙を見て
近寄ろうとしたが制止されてしまった。




「かねてからロボット替え玉説のある
元大統領夫人のお忍びの訪問の理由は
謎に包まれています。」
と多恵が話すシーンが録画されている。




そのころ、サラたちの部屋では。
ジェイソンがサラと話していた。

その帽子どうしたの。
セリアにもらったんだ。
もう毛糸の帽子は暑そうだからって。
そう。よく似合ってるけど、
もしかしてあなた、骸骨だっていうことを、
また、打ち明けたんじゃないでしょうね。
う。
みんな驚くから駄目だって言ったでしょう。
ごめんなさい。
でもセリアも。




探偵事務所でも、セリアのことが話されていた。

そのセリアっていう人が、
一瞬で薄煙とともに変身して、写真の人物になって、
ハリーの娘のヴィヴィアンだとなのったっていうんだね。
にわかに信じられないような話だけど。




ハリーって言えば、魔術劇場の主宰者でしょう。
自分の顔を一瞬で変えてしまうっていう噂の。
彼の娘さんなら、特殊な変装の仕方を知っていても
おかしくはない。
でも変装していたっていうのは、何か事情がありそうね。
ホテルの依頼者に見つけたことを伝えれば、
探偵事務所としての仕事は終了するから、
それ以上の詮索は無用かな。

探偵は、ふと過去の人探しの、
ほろ苦い記憶を思い出していた。


解説）
探偵が思い出していたのは、
2008年4月24日から４月30日にかけての
「デュアン」のエピソードです。
探偵は仕事柄、傍観者の立場にあることの
やるせない感覚を思い起こしていたのでした。

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