Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

ハリー家の会話

私のことならご心配なく。
と言ってカーミラは立ち上がった。




鏡の前で何やら唱えている。




鏡の中に顔が現れ。




カーミラに移り変わっていった。




こんな感じでどうかしら。

あまり変わんないかも。
とヴィヴィアンが言った。
美は普遍的なのよ。




ねえお父さん、
さっきからチェシャ猫みたいに
笑ってるその猫
もしかしてマリアでしょ。




薄い煙と共にマリアが現れた。

やっぱりヴィヴィアンには
バレちゃったか。
カーミラ叔母さんこんにちわ。
私、去年からこの町で暮らしているんです。
最近ハリー叔父さんの魔術劇場ができたので、
時々遊びに来ていて、今日もね。

マリアのお転婆ぶりは相変わらずね。

そうそう、さっき叔母さんとヴィヴィアンが、
この建物に入っていくのをみてたんだけど、
ヴィヴィアンが平然としてたので驚いた。
あなた日光が苦手なんじゃなかったっけ？

うん。
あなたと遊んでた子供の頃はそうだったけど、
あれから体質が変わったの。




ヴィヴィアンは進化した種なんだよ。
そう言いながら
ハリーは瓶を取り出すと赤い液体を
大きな金属製のゴブレットに注いだ。

これは私が調合した飲み物だ。
味は変わらないから試してみるといい。

わー美味しそう、いただきまーす。
とヴィヴィアンが言った。




これを飲み続けていれば、
吸血行為も必要なくなるんだが。
ヴィヴィアンは頑固だからねー。
私は進化しても伝統文化を守りたいの。
血を吸わない吸血鬼なんて厭。


解説）
賑やかな会話が
絶えないのでした。

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