May 03, 2022
春たけて そのろく
喫茶ペンギンの前で。
しばらく二階の探偵事務所で
ご厄介になる私の妹の
ミューです。
とドロレスが言った。
あらよろしくね。
ミューちゃん学校は?
わたしお姉さんがしている
私立探偵の助手の見習いの
お手伝いをするんです。
ということで、ミューは、
ドロレスに引き取られて、
探偵事務所で暮らすことになった。
ロボットって、結構
メンテナンスが大変なんだね。
そんなことないんですけど、
カメロンパン程度は
食べられるようにしてるんです。
あなたの知能も随分進化してるみたいね。
ところで、ミューへのコピーは成功したみたいだけど、
アンの分析検査でデータの消去や改竄が
発覚する恐れはないのかしら。
言いにくいですが、はっきりいって、
検査官がバトラー博士やレイチェルさんのレベルだったら、
まず大丈夫です。とミューがいった。
私が偶然獲得したような
特異な認知能力を持つ人が研究所にいれば別ですが。
それに、もし見つかりそうになったら、
アンは自爆しますから。
そうなると研究所はどうなるの?
この世界から蒸発します。
あ、そこかゆい。
サラたちの部屋での話題は、
やはりアンのことだった。
研究所に帰っちゃたんだね。
試験運用だったから仕方がないよ。
でもアンみたいなロボット、
近所に一体いると何かと便利だね。
重いもの運んだり、何でも手伝ってくれるし、
シティポリスも必要なくなるかも。
その代わり、接触したみんなの行動が
データとして保管されちゃうんじゃないの。
それはなんか監視されているようで嫌だなあ。
ジェイソンは広場でぽつんと立っていたアンに
初めて声をかけた時のことを思い出していた。
なんとかアンを取り戻す方法はないの?
アンならミューの中に今もいるよ。
うん、それはわかってるつもりなんだけど、
やっぱりあのいかついボディ、
尖っててクルクル回る頭、
スルスル伸びる足、あの形状全体がアンなのよ。
本当にそうかな?
なんなら私が研究所に潜入して奪回してもいいけど。
本当はそれやりたいんでしょ。
でもそうなると相当後が面倒だよ。
問題はアン、というか、ミュー本人が、
あのボディをどう思っているかっていうこと。
もしかしたら、この先の展開も、
もう計画の一部なのかもしれないし。
だとするとどこの誰かとは大違いだね。
解説)
今日は洗濯日和でした。
Edit this entry...
wikieditish message: Ready to edit this entry.
A quick preview will be rendered here when you click "Preview" button.