Apr 30, 2022
春たけて そのさん
夕暮れになり、ルビーはアンを呼び出して、
明日研究所に帰ることになると告げた。
アンのお面の表情からは何も読み取れない。
さっそく動物たちが寄ってきて、
アンに挨拶している。
アンもテレパシーで答えているようだ。
でもさっきは驚いたわ。
倉庫にこもって何してるかと思ったら、
あんな女の子と遊んでたなんて。
アノ子ハ、人間デハアリマセン。
私ガ、ミュー、ト名付ケタ、ロボットナノデス。
え、そうだったの。
そうか、あなた倉庫であの子を作ってたのね。
燃料の水持ってきたよ。と言いながら、
ジョウロとポリタンクを下げて
アイスがやってきた。
あれから夢見の水補給してたけど、
今日は普通の水でいいんだね。
ハイ。ヨロシクオ願イシマス。
水の補給を受けながら、
アンが打ち明けた話の内容は
二人には驚くべきことだった。
かって(正確には3月16日)、アイスがアンに
間違えて夢見の水を補給してしまったせいで、
研究所のバトラー博士たちが開発中で
アンに搭載されていた超認識回路、
KSシステムのロックが解除され、
未知の能力が備わってしまい、
動物たちと会話できるようになったほか、
アンの知能レベルが格段に向上した。
アンはやがて自分が研究所に戻されると
知っていたので、この能力が知られれば、
重大な結果を招くと予測して、
秘密を守るために、
ある計画を実行することにした。
それは、自分のコピーロボットを作り、
そのロボットに自分の全ての記憶情報を
保存した上で、自分の記憶をリセットし、
代わりに疑似記憶をセットしておく、
というものだった。
そのための準備は全て終えており、
あとは体から夢見の水の効果がなくなるのを
待つばかりなのだとアンは言った。
動物たちはもうアンに呼びかけても
何も答えてくれなくなったので
がっかりしているようだ。
ゴキゲンヨウ。オヤスミナサイ。
そういうと、アンはドルフィンに戻っていった。
アンは、もうセリフで漢字が使えなくなっている
ようだったが、さすがに誰も気づかなかった。
しかし一部始終を見聞きしていた
黒猫が一匹、屋根に駆け上がり。
たまには猫に変身して
夜遊びするのもいいものね。
なんだか面白そうな話だったわ。
と言っている。
解説)
今日は雨で
気温が下がりました。
Edit this entry...
wikieditish message: Ready to edit this entry.
A quick preview will be rendered here when you click "Preview" button.