Apr 06, 2022

花散る春の日 そのに

a1

文学青年は今日も散歩していた。

花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに


a2

ながめって、眺めと長雨の両方の意味を
掛けているんだ。
と文学青年はつぶやいたが、
ルルもリタも聞いていなかった。

今日もいい天気ですね。
肉まん蒸かし立てみたいですよ。
といわれている。


a3

ベランダではペギーが
洗濯物を干している。


a4

乾いたらこの黄色いTシャツ
着ようかな。


a5

部屋の中では
ベスとニッキーと舞が
今子のことで話合っていた。

11人もいるんだから、
同居人がひとり増えても
変わらないわよ。
あの子かわいいしね。


a6

きみはいったいいくつなのさ?
とトラ猫がいっている。


a7

ベーカリー前では
狐の姉妹が食事していた。

姉さん私やっと化けられるようになったよ。
貴理子さんが奉納してくれた
あの葛の葉のおかげみたい。


a8

そうね。あれは夢見の水で育った
迷いの森の特別な葛の葉。
もっと時間がかかると思ったけど、
あなたみたいな若い狐でも
変身できたのは驚きだわ。
でも上手く化けたつもりでも、
尻尾をださないように気をつけてね。


a9

うん、気をつけるよ。
尻尾はしっかり着物でかくしてるから大丈夫。
と今子はいった。

解説)
今日は気温が随分あがりました。
Posted at 20:44 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
Edit this entry...

wikieditish message: Ready to edit this entry.

If you want to upload the jpeg file:


Rename file_name:

Add comment(Comment is NOT appear on this page):
















A quick preview will be rendered here when you click "Preview" button.