Apr 02, 2022
風に吹かれて
ルイちゃん、こっちむいて。
ジェイソンは、タンポポの話が
気になってサラに会いに行った。
なんだかあれ聴きたい気分なの。
わかった。じゃあ、これから
ドルフィンに寄ってから、
そっちで一緒に聴こうよ。
サラさん。
あのタンポポの鉢植えのことですが。
ああ、あれはルルから貰ったの。
ルルさん。
あのタンポポの鉢植えのことですが。
あああれね。日陰に咲いてたの。
そこに行ってみる?
この二つの大きな石の傍に
枯葉に埋もれるようにして咲いてたのよ。
この辺なんだかきれいになってるし、
誰か掃除したみたい。
アイスはレコードを持ちだしてきた。
「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」ね。
それそれ。
サラはアイスを連れて
さっそく部屋に戻った。
慎重にレコード盤に針をおとしている。
A面の最初の曲が流れている。
頭蓋骨は風ばかり吹いていた
長い夢のことを思い出しているようだ。
メメはタンポポの葉を食べたそうにしていたが、
もう骸骨なので食べられないのだった。
解説)
今日は花びら混じりの風の吹く日でした。
崖沿いの裏庭で枯葉を掃いたり。
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