Nov 26, 2021
メメント・メメ
骸骨はジャンの家の庭に
佇んでいる。
たしかこの庭に埋めた筈なんだが。
なにかお探しですか。
昔この庭に埋めたメメの頭蓋骨を
捜しているんだが。
頭蓋骨?
あ、それなら。
といって、ジャンは家に戻っていった。
これ、この庭にジオラマを作るとき、
土を掘り返していて見つけたんですが、
しっかりした箱に入っていて、
変わった置物だったので
念のため、とっておいたんです。
おお、メメ。
これは何の動物でしょう。
牛や山羊にしてはサイズが。
メメの外見は犬のようだったが、
たしかに立派な角があった。
わしにもよくわからんのだ。
というわけで
メメがみつかったのだ。
それはよかったですね。
ならぶと可愛いね。
本当にそう思う?
そのころ、べーカリー前では。
あの、私ロボット研究所の者ですが、
このへんでロボット犬を
見かけなかったですか。
また逃げ出しちゃって。
あ、そのロボット犬なら、
しばらくドルフィンの倉庫の奥に
かくれてたみたいだけど、今は。
僕、居場所ならわかるよ。
手伝いましょうか。
大丈夫です。
スイッチ押せば静止しますから。
おや、そこにあるのは、
6年前の暴動でスクラップになったボディですね。
倉庫にあったのを譲ってもらったんです。
お嬢さん。
動物のボディって研究所にありませんか?
と頭蓋骨が言った。
お嬢さんって。
そうねえ、ロボット犬のボディなら、
廃棄処分にする予定のものが一体ありますが。
え、その角のついた頭蓋骨につけたいんですか。
壊れてるから置物にしかならないですよ。
解説)
ちょっとめまぐるしい展開に。
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