Oct 12, 2021
女性の肖像画
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マンスフィールドさん。
今回はなにを?
モディリアーニが、
一般の女性を描いた肖像画
を選んで紹介します。
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「若い娘の肖像」(1915)
「モデルはおそらく若い使用人の娘である。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P112)
「モディリアーニの伝記に登場する女性の名前は、
ジャンヌ・エピュテルヌと
ベアトリス・ヘイスティングスを別にしても、
十指に余る。マルガリータ、アルマイザ、ルネ、
ロロット、ジルベルト、エルヴィル、マリー、
リシェンヌ、、、、。
彼女たちは、詩人を自称していたり、
女子学生であったり、娼婦であったり、
職業的なモデルであったり、友人の妻であったりする。
たまたま知り合った彼女たちを
彼はイーゼルの前に連れてきて、
愛情と優しさをこめてキャンヴァスに描破した。」
「女性のモデルの場合は、
たとえ名前が分かっていても、どのような素性なのか、
どのような職業についていて、どのような生活をしていたのか、
ほとんど分かっていない。」
(「アサヒグラフ別冊モディリアーニ」作品解説p90)
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「ラ・ファンテスカ」(使用人の女)(1915)
「、、、画面には生き生きとした雰囲気が
みなぎっている。モデルの表情は
穏やかで時間を超越しており、
ただこの人物の職業のみが
エプロンによって表されている。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P114)
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「若い娘の肖像」(ララ・ゲテの娘)(1917)
「ここに座っている女は、
モンパルナスのミュージック・ホール
「ラ・ゲテ」で歌っていた若い女、
トトトゥである。」
(「モディリアーニ展(1979)カタログ作品解説」)
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「若い女性の肖像」(1917)
「暗い色調のなかに、モディリアーニはこの女性の
近代的な性格を余すところなく描きだしている。
前髪をおろしたショートカット、
赤い唇、くっきり引いた眉、まっすぐに
こちらを見つめる揺るぎないまなざしといった要素が、
第一次大戦後の狂騒の時代(レ・ザネ・フォル)を
予感させるのだ。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P130)
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「婦人像」(1918)
「1918年に描かれたこの美しい肖像画は、
ジャン・コクトーが1951年に出版した
モディリアーニの短い回想録のなかで、
巻頭を飾るカラー図版に選ばれている。」
「コクトーは「彼は、我々をおしなべて
自分のスタイルで描き、自らのうちに抱いていた
ある典型的な人物像に引き戻した。
彼はいつも、男性にも女性にもこの形状を
強く求め、それに似た顔を探していた。」
とつけくわえている。
この若い女性が誰なのか残念ながら分からないが、
モディリアーニのこうした探求とその応用を
まさに証明する作品となっている。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P186)
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「女の肖像」(カフェ・コンセールの歌手)(1918)
カフェ・コンセールって、客が歌や踊りのショーを楽しみながら、
飲食ができる、いわゆるミュージック・ホール。
このひと、歌姫だったんだ。目つきや口元、髪型も、
このポスターの人に似てない?
!!
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「トーラの肖像」(1919)
「トーラは1919年の10月に美術を学びにパリにやってきて、
のちに彼女の夫となる画家のニルス・ダルデルの誘いで
ラ・ロトンドを訪れ、そこでモディリアーニと出会った。
後年トーラは、モディアーニの美しさに驚くと同時に、
彼が深刻そうな咳に悩まされていたことも
強く印象に残ったと語っている。
トーラはモディリアーニのために何度かポーズをとっていたが、
ある日、アニー・ビャーネを連れてきた。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P194)
次のアニーの肖像画の解説文に続きます(^_^)。
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「アニー・ビャーネ」(1919)
「そこでモディリアーニは、
アニーの肖像画を描いたのである。
トーラとアニーは、人生を織りなす数々の偶然によって、
別々の道を歩むことになった。しかし、ほぼ同時期に、
同じサイズの大きなキャンヴァスに描かれた二人の肖像画は、
モディリアーニの芸術を物語る最後の証言のひとつとして、
いつまでも変わることなく、結びつけられるのである。」
(「モディリアーニ展(2008)カタログ作品解説」 P194)
解説)
解説文は全文の一部を抜粋して
転載させてもらっています。
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