Oct 02, 2021

会場であれこれ

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マンスフィールドさんが話していると、
アルがやってきた。

こんにちは。
私この近くでビストロを経営してるアルといいます。
とつぜんのぶしつけなお願いで、大変に恐縮でございますが、
さきほどこの展覧会の展示品を鑑賞しておりまして
あの「少女の肖像」(ユゲット)が一目見て気に入ってしまいまして、
きくところによるとあなたが所蔵されている作品とか。
ぜひともなんとか、お譲りいただけませんか。

うーん。それは。

実は私もこの展覧会に作品を貸し出しておりまして、
その作品と交換させていただく、
というのはいかがでしょう。


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これがその作品で、タイトルは
「黒いドレスの女」(1918)といいます。
作品のモデルは不明ですが、
「アール・デコ」を先取りした
ショートヘアがとくに印象的です。


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これは当時モンパルナスの女神といわれた
アリス・プラン(通称キキ)のショートヘアの写真。
キキはモイズ・キスリングやマン・レイ、藤田嗣治など、
さまざまな「エコール・ド・パリ」の
芸術家たちのモデルをつとめました。

とつぜんの写真入り解説は嬉しいですけど、
作品の交換はちょっと考えさせてください。
とマンスフィールドさんはいった。


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ショートヘアといえば、こちらもそうだね。
とサラと鷲尾翠がはなしている。

これは「ピエール=エドゥアール・バラノフスキ」
(1918)っていう作品。
モデルの名前がそのままタイトルになってる。
モデルは、モディリアーニと同じように、
当時パリのモンパルナスやモンマントル界隈に集まってきた
外国人芸術家たち、いわゆる
「エコール・ド・パリ」(パリ派)のひとり。
ポーランド人の画家で、
サロン・ドートンヌ、サロン・デ・ザンデパンダン
などに静物画や風景画を当時何点も
出品していた記録がのこっているらしい。
男装の麗人みたいにみえるけど男性だよね。


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これは「女の肖像」(1917)っていう作品。
ドルフィンの二階に飾ったばかりだったのを
展覧会用に持ってきたやつだね。
暗い背景に黒い服で、顔と首、重ねた手の
明るさがきわだってる。

背景は暗いけど模様入りの壁紙など左右対照的に
かき分けられて変化がつけられてる。
物思いに沈んでるような表情がしぶくて、
地味だけど見飽きない作品だね。


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ねえねえ、このジャンヌの写真みて。
と、ずっとカタログを見ていたレイアがいった。


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この写真、
なにかに似てない?

なんだろう。

手の組み方、まとってる衣装なんか。


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あ、モナリザにそっくりだ(^_^)。


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たぶん、想像なんだけど、
お兄さんが画家で、自分も美術好きだった
ジャンヌがモナリザのコスプレしたんだと思う。

偶然かもしれないけど、
面白い発見だね。


解説)
もう10月!
ようやく会場に展示した作品の紹介が
ひととおり終わりました。
こういうテーマで関連画像を探索していると、
ついつい時がたつのを忘れます。
Posted at 21:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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