Dec 07, 2007
鏡の国のアリスとオリーブ そのきゅう
第九章 女王アリス
オリーブは、赤と白の女王さまが、いつのまにか、
すぐ傍によりそうようにすわっているのにきがつきました。
話をしているうちに、、。
「女王は二人ともぐっすりと、大きないびきをかいてねむりこけてしまいました。」
オリーブは、きがつくとアーチのある戸口にたっていました。
アーチには、上に「女王・オリーブ」と文字が記されていました。
オリーブはノックしたり、ベルを鳴らしたりしましたが、
だれもでてきませんでした。
「とある木の下にすわっていたひどく年とったカエルが立ち上がって、
足をひきずりながら、のそのそと近づいてきました。
あかるい黄色の服を着て、ぶかぶかのどた靴をはいています。
「なんか用かね。」カエルの声はひくいしゃがれ声です。」
ディナーパーティではオリーブの前に、
ヒツジの骨付き肉が運ばれてきました。
「ヒツジのもも肉は皿の上に立ち上がると、アリスに軽く頭を下げました。
アリスは、びっくりしてみせるべきなのか、
それともおもしろがってみせたほうがいいのか、
よくわからないまま、礼をかえしました。」
オリーブがスピーチをはじめるとまもなく、
白の女王さまがオリーブの毛をつかんで、
「気をつけなさい!変なことが起こりそうだよっ!」
と金切り声をあげました。
「まさにそのとき、、、あらゆることがいちどきに起きたのです。
ろうそくというろうそくはみんなするするっと伸びて天井にとどき、
イグサの畑に花火が上がったみたい。
たくさんのびんはどうなったかといえば、
一本一本がそれぞれ皿を二枚づつとって足がわりにしたかと思うと、
四方八方にひらひら飛んでいきます。
「ほんと、鳥みたいだよ」始まったばかりの大混乱のなかで、
アリスはせいぜいそのくらいのことばしか思いつきませんでした。」
つづく
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