Jun 15, 2025
緊急会合

サラの呼びかけで、みんなが集まった。
テーブルの上には水晶玉が置かれている。
フミコは、島で水晶玉に向かって呪文を唱えたら、
火山の噴火が始まったと説明した。
噴火の原因は、
この水晶玉にあるっていうことなのね。
とみすずが言った。
タイミングから言って、
多分そう言うことだと思うわ。
私が透視した時は精霊が宿っているようには
思えなかった。でも今は何か感じるわ。
フミコの呪文で封印が解かれたようね。
とヴィヴィアンが言った。

もう一度同じ呪文を唱えてみたら?
それは危険すぎない?
それでもしこの大陸でも火山が噴火したら、
ジャングルでは大火災が起きて、
空は火山ガスに覆われ、
地表には火山灰が降り積もり、
やがては恐竜大絶滅になりかねない。
なんて考えすぎかしら。
とサラが言った。

そんな厄介なものなら、
この夢の世界から消してしまえばいいのよ。
私が石に変えて
蹴っ飛ばして粉々にしてあげる。
とヴィヴィアンが言った。

すると水晶玉は飛び上がって、
話し始めた。
と、とんでもない。
そんなことしないでください。
あれははずみだったんです。
突然私が起こされたショックで、
バーンが飛び出してしまったんです。
飛び出したって、
あなたは何なの?

飛び出したバーンっていうのは、
火の精霊なんだね。
とバルが言った。
そうです。
ああ、あなたは
風変わりな水の精霊ですね。
私も鹿の精霊よ。
あなたには何か懐かしさを感じる。
とディアナが言った。
私は魔族が占いに使う水晶玉の精霊。
私の役目は、天然自然現象を司る
精霊たちの声を集め、
魔術師に伝えることです。
そのために数々の精霊の分身が、
私に宿るのです。
と水晶玉が言った。

あなたが魔族がお天気占いに使っていた
水晶玉の精霊だということはわかったわ。
とフミコが言った。
どうしてあの島の家にあったのかだとか、
聞きたいことはたくさんあるけれど、
とりあえず、火山の噴火を何とかできないの?
このままだと、あの島のジャングルも燃え、
恐竜たちも焼け死んでしまう。
とアイスが言った。
火の精霊バーンは、
火山の火口で燃えている火の姿そのものです。
分離してあげられると鎮まると思いますが。
今はとても近づけないでしょう。
と水晶玉が言った。
応急処置に、僕が雨雲になって、
島に降り注ぎましょう。
それからバーンに会いに火口に行けばいい。
そういうと、バルは席を立って部屋を出て行った。

やがて北の小島には
何日も激しい雨が降り続けた。

ジャングルの一部は焼失したが、
噴火は次第に沈静化して、

生き延びた恐竜たちが
右往左往していた。
解説)
続きます。
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