Apr 17, 2025
アイスの帰還

アイスはラルゴ4型を説得して、
二人でヤビーたちの家に向かった。
しかしあなたは
冷酷非情な戦闘用ロボットのはず。
どうしてミミコの命を助けて、
戦場から離脱することにしたの?
それに、戦争を忌避して恥ずかしいなんて、
繊細な感情も持ってるみたいだし。
瓦礫の山の側でミミコの泣き声を聞いた時、
何かが解除されたような気がしたんです。
別の何かに促されるような感じで、
自分でもよくわからないんですが。

ミミコがテレパシーで働きかけたのかなあ。
あ、ヤビーたちの家に向かうルートは
覚えているのね。
はいほぼ一直線で向かっていますよ。

あら、こんなところに何か。
金属製の球体が
半ば草に埋もれている。

これは戦争末期に人類の側が作った
シェルター型ロボットのようですね。
内部が空洞になっていて、
人を収納できるはずですが、
中には誰もいないようです。

その時、茂みに潜んでいた巨大な蜘蛛が現れ、
ひょんと球体の上に飛び乗った。

アイスの銃弾に、蜘蛛は地上に
落ちて動かなくなった。
すごい早打ちですね。
これはブラッキーと言って、
ネット状に細かな群体を張り巡らして
獲物を身動きできないようにしてから
捕食する生き物です。
多分シェルターを巣にしたかったんでしょうが、
入り込むのは無理ですね。

川音が聞こえるわ。
もうすぐそこです。
割と近かったのね。
さっきのシェルター型ロボット、
回収することはできないかな?
作業用ロボットたちに手伝って貰えば、
なんとかなるでしょう。
動くかどうかわかりませんが。

二人はヤビーたちの家に帰り着いた。
ちょっと懐かしいなあ。

アイスたちが正面の庭にいくと、
すでにナディアが戻ってきていた。
おや、変わった生き物がいるのね。
サラが恐竜の子供じゃないかって。
北の方の洞窟で生まれて私について来たのよ。
あなたも変わったお連れがいるのね。
南の方の廃屋で暮らしていた
ロボットよ。
そのスタイルは知ってるわ。
戦争末期に機械軍が投入したラルゴ4型。
全部破壊されたと聞いてたけど
生き残っていたのね。
え、そうなの?
私は戦線を離脱して森に隠れていたんです。
それで生き残ってしまったんです。
とラルゴ4型が言った。
ラルゴ4型か。言いにくいから、
ラルゴでいいわね。
どうぞよろしくラルゴさん。私はサラよ。
そちらはナディアと後ろにいるのはヤビー。
アイス、シチューができたから食べましょう。
解説)
続きます。
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