Oct 27, 2023
盗まれた転送装置 そのよん
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ウェルズはミラたちの家にある
秘密の地下通路を通って管理局に戻り、
ペンギン前のスペースでは
ルビーとアリスが話していた。
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そもそも管理局って、なんなんですか。
政府の組織ですか。それとも国連やCGみたいな
国際組織ですか?
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この地球上の組織じゃなくて、
異世界間を横断した組織らしいけど、
本部はなぜか迷いの森の中にあるらしいの。
まあローカルな都市伝説のような扱いで、
軍やCGでは、まともな調査も論議もされていないけどね。
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本を読みながら、
それとなく話を聞いていたミラが言った。
アリスさん。あなたも毎日違う夢を見るでしょう。
あなたたちの住むこの世界も、
そんな夢の一つだと考えてみて。
異なる夢の間を行き来するものたちがいて、
そのせいで起きるさまざまな問題について、
当事者にアドバイスするのが私たちの役目。
そんな組織があるなんて、
信じがたい話ですね。
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そこに台車を押しながら、
ウェルズが戻ってきた。
あ、それって、
転送装置じゃないですか。
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これはレプリカなんだけど、
盗まれたものとそっくりに作られています。
転送装置は、まだ皆さんの科学技術では、
操作できないでしょうから、
このレプリカで代用できるでしょう。
これを研究所に持ち帰ってほしい。
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それが管理局の意向ですか。
とルビーが尋ねた。
はい。彼が捕まれば時間管理部の存在が知られてしまい、
この世界に影響を与えてしまうことになりかねない。
盗難事件そのものを無かったことにしたいということなんです。
盗まれたと思われた転送装置が見つかったということで、
ブラウンの捜索は中止してもらえませんか。
ルビーは、しばらく考えていたが
了解しました。
さっそく博士や将軍に伝えます。
元々ロボット研究所に保管されていた
転送装置の存在は国家機密ですし、
彼らも不祥事が公になるのを避けられて喜びますよ。
と言った。
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なんだか釈然としないなあ。
結局、本物の転送装置や盗んだ犯人は野放しなんですか。
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その点については、
特別に許可をもらって、私が担当することになりました。
必ず見つけ出して逮捕します。
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ルビーとアリスは、
ことは急を要するということで、
さっそくレプリカの転送装置を運んで行った。
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レプリカを提供して、盗難事件そのものを揉み消すなんて、
管理局にしては、随分思い切った決定をしたものね。
これ以上この世界の住人を巻き込むわけにいかないからね。
ブラウンは、転送装置を改造して、
どこか別の世界に逃げちゃうんでしょ。
捕まえられるの?
改造にはミューが作った仮想現実体験装置の構造を
応用するに違いなから、行き先はわかっているんだ。
あの装置では、特定の未来の時空にしか行けない。
ブラウンはあなたの分身なんでしょう。
そもそも、どうして出奔したのかしら。
見つけたら本人に聞いてみたいね。
時間管理部のパトロールって、
何度も繰り返していると心身にダメージがあるし、
仕事を投げ出してどこかに定住したくなる気持ちもわかる気はする。
タイムマシンを使って歴史を書き換えたりしない限り、
管理部では元職員の行動に関してはそれほど気にしていないんだ。
一応私が担当して逮捕することになっているけど、
局長に相談したら、最終的にどうするかは私に任せるって。
あの局長らしいわね。
解説)
とりあえず盗難事件の騒動は
おさまったようです。
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