Jan 19, 2023
会話の続き そのさん
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これでメルティもまた
遊びに来られるだろう。
とハリーが口火を切った。
ところで、いい機会だから伺いたいのだが、
差し支えない範囲で、迷いの森について
教えていただけないかな。
あれは言い伝えでは、
私たち魔族の故郷と
呼ばれている土地で
私がこの町に来た理由の一つも
あの土地に惹かれてのことだった。
管理局なる組織の本部が
その中にあるとは驚きだが、
聞くところによると、
行くたびに景色が変わるというね。
あれは異世界と呼べるのかな。
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フェンスで囲い込まれているだけで、
基本的には、この世界と地続きです。
フェンスを超えて、
泉の水を汲みに出入りする盗掘者もいますからね。
ただあちこちに異世界との接点があるのです。
見かけは森なんですが、交差点のようなところなので、
様々な異世界からきた生き物が住み着いています。
多分私たち同様、
あなた方魔族の先祖もそういう人たちでしょう。
エイリアンみたいな見かけが怖い生き物や、
巨大な昆虫や爬虫類、ドラゴンも住んでいますよ。
とバグが言った。
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なるほど、ドラコと呼ばれているベーカリーの
マスコットみたいなドラゴンの子供も
迷いの森から来たんだったね。
ドラゴンは「夢食い」の一種なんだろう。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a4.jpg)
「夢食い」のことをご存知でしたか。
一般には異世界に入り込んで影響を与える生き物で、
ドラゴンはその世界や世界の秘密を守る働きをしますが、
中には支配しようとするものもいます。
異世界の間を行き来する輩でもあるので、
管理局は直接は手を出しませんが、
目に余る場合、アドバイスすることはあります。
しかし考えようによっては難しい話で、
魔法の扉などを使って異世界を訪れること自体、
ある種の「夢食い」と変わらないんですよ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a5.jpg)
知能が高いのもいるんでしょう。
メルティの夢の世界にも、夢食いが侵入して、
私たちとの接触経路を遮断して
彼女の夢の世界を独占しようとした可能性はないの?
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a6.jpg)
彼女の夢の世界は深く一人きりのもので、
ふつう夢食いは共同の幻想世界に出現します。
最近ではジャンさんのフィギアの世界に出てきましたね。
そうしないと割に合わない。
あれも生き物ですから。
ただ中には「獏」とか、夢魔と呼ばれる
連中もいて、可能性はゼロとは言えません。
魑魅魍魎の出没する世界なんですよ。
ただし、彼女の夢は深いので、
彼女自身の無意識が強固にコントロールしているはず。
私は何らかの理由で自分で遮断した可能性が高いと思います。
しかし意識ではサラが遊びに来ることを願っていたし、
ハリーさんの魔法は強力だったので、
扉を完全に消去することができなかった。
扉が開いてると、さっきの黒猫みたいに
自分が何をしてるのか考えずに
紛れ込んじゃうのもいるから
ややこしいのよ。とミラが言った。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a7.jpg)
サラはメルティの夢の世界に
入り込んでいた。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a8.jpg)
部屋の壁は前に見た時と変わらないが、
樹木の明かりが消えている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230119202906.files/a9.jpg)
だれか人が来た、とサラがみると、
それはメルティではなく、
マスクをした男性だった。
解説)
会話も続いています。
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