Aug 15, 2022
夏といえば そのはち
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私ね。
自分があなたの作ってくれたフィギアに宿った、
精霊だって言うこと、ずっと考えていたの。
それに、私たちの暮らす世界が、
あなたたちの夢が生み出した世界だって言うことも。
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あなたは、あなたたちが現実って呼んでいる
この世界を捨てて、私たちの暮らす世界に住める?
逆に、私が自分の住む世界を捨てて、
こちらの世界で生きることができると思う?
捨てなくてもいいんじゃない?
君はもう僕らの夢の中だけの登場人物じゃなくて、
これからは自由に行き来できるんだから、
住んでる場所が違うだけだよ。
とジルが言った。
そう言うことじゃないの。
とエルマは小さな声で言った。
これまでだって、向こうの世界で
私は自由に楽しく暮らしていた。
ただ本当のことを知ってしまうと、
変わってしまうことがあるのよ。
それがどんなことであれ、
きっと君は上手くやっていけるよ。
そんなふうに僕が願って作ったんだから、
とジルが言った。
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蝉の声が途絶えがちになり、
水音だけがささやくように絶え間なく響いていた。
夜も更けてきたようだね、
ジャンの倉庫まで送るよ。
とジルが言った。
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別荘の部屋ではサラとアシュレイが
くつろいでいた。
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ジルさんたち、お似合いだね。
遅くならないうちに送っていくって
言ってたけど、まだ池のそばにいるのかな。
邪魔しちゃ悪いから見に行かないけど。
あ、アシュレイ、着替え持ってきたんだ。
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うん。用意周到でしょう。
ジェニーからの借り物だけど。
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バスタオルも干さないとね。
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ドアをノックして管理人がやってきた。
ジルさんたちは帰られたようです。
夕食はどうしますか。
ここ、郊外だからアルのビストロの近くよね。
でも今日はなんだか疲れちゃったし。
ビストロからピザ取りましょうか。
そうだね。管理人さんも一緒に
食べましょうよ。
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3人はささやかな
ピザパーティを開いたのだった。
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サラからエルマの身の上話を聞いた
管理人は驚いている。
その顔、驚きすぎでしょ。
と言われている。
解説)
池の周りには、
小さな照明もセットされていて、
夜の風景を少しだけ盛り立てています。
別荘の部屋の小物類は、
どれもこれまでの使い回しで、
今回はバスタオルだけ、
古いタオルを裁断して作りました。
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