May 23, 2022
マリアの母親
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階段を上ってジャンヌがやってきた。
あーお母さん、とマリアが言っている。
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ハロウィンでいなくなった時、探さなかったの?
この町にいるのはわかっていたし、
このこも冒険したい年ごろだしと思って、特に。
それに最近の消息は、
兄から聞いていたからね。
ハリーの魔術劇場がこの町に来たのは、
あなたが頼んだからなの?
それだけが理由じゃないんだけど。
やっぱり気にかけていたんじゃない。
そーなんだ。
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お母さん、私より若く見えるね。
それは事実だけど、お世辞いってもダメよ。
あ、今日は別にあなたを
連れ戻しにきたわけじゃないから安心して。
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何かあった時のために
これを身につけておいて欲しいと思って、
持ってきたのよ。
とジャンヌは言った。
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それは黒猫のアクセサリーのついた
ペンダントだった。
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よく似合ってるわ。
それにはハリーの魔法がかかっているから強力。
使うとどうなるの?
わからないけど、とりあえず助かるそうよ。
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ところでカーミラあなたお化粧変えた?
魔法の鏡を使って別人に変身したんだけど。
あんまり変わらないわよ。
美は普遍的だから。
などと別の話題に移っていったのだった。
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その頃屋台の前では。
アンジーさん、春節以来のご来店ですね。
ええ、あの時もこの席で食べ続けたわね。
ここは広場が見渡せるし、写真うつりもいいし最高。
今日は待ち合わせしてるんで、そこの席空けといてね。
料理はどんどんお願い。
あ、さっそく来たみたい。
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広場にペスパが到着した。
乗っているのは、郊外に住むジムのようだ。
解説)
マリアのいっときの心配をよそに
さりげない母親との再会でした。
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