May 02, 2022

春たけて そのご

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こんにちわ。
と女の子は言った。


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すると、ドロレスが
ドルフィンの奥から急いでやってきて、
女の子の脇に立った。

この子、ミューっていう名前で、
私の妹なんです。
今朝アンのところに遊びにきて、
さっきまで一緒に遊んでいたんですが、
アンがいなくなったので、
こっちに出てきちゃって。


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さっそくアイスが、カメロンパン食べない?
と言っている。
今お腹いっぱいなので。


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ねえ、姉妹って全然似てないね。
家庭の事情は様々だからね。


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ドロレスはルビーに声をかけて、
小声で立ち話をしている。

アンが昨夜アイスさんとルビーさんに
計画のことを話したと言ってました。
ミューがロボットだということ、
秘密にして、今後とも力になってください。

ええ、できるだけのことはしましょう。
で、ドロレスさん。
あなたも本当はロボットなんでしょう?

え、そんなこと。
誰から。

これまでのあなたたちの行動や
アンの計画のこと、
昨晩からずっと考えていたんだけど、
ミューのお姉さんだという、
さっきのあなたの言葉を聞いてはっきりわかったの。
それってアンの発案でしょう。
アンがミューを作って置いていっても、
ミューを保護してくれる人が必要で、
それも事情を全て知っている人が必要。
あなたにそれを委ねたってことは、
あなたをそれだけ信頼してるってこと。
あなたなら絶対に裏切らない。
なぜなら、ミューの秘密は、
あなたの秘密でもあるからね。

アンが私を利用したっていうことですか?

利用といえばそうかもしれないけど、
アンはそれが一番いい方法だと考えた。
それは、私とアイスに計画を打ち明けたこともそう。
計画に私たちを巻き込むことでミューは安全になる。
私やアイスなら喜んでミューを守るし、
エネルギー源である夢見の水も手配できるでしょう。


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アイスって、言った?
ちょっとあれ見てよ。


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ミューが動物たちと話しているようだ。


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違うよ。
これ囚人服みたいだけど、
マリンルックなんだよ。
とミューが言っている。

ふーん本当かなあ。
とチンパンジーが言ったが、
周りのみんなにはウーウーとしか
聞こえなかった。


解説)
ミューのボディは、やや小ぶりの、
ピュアニーモというアゾンの素体を
使っています。
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