Apr 18, 2022
春たけなわの頃 そのなな
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最近、このチンパンジー、
愛想が良くなった気がする。
なんか話しかけてるみたいなんだけど。
とフレイムが言っている。
ルビーは魔術劇場の前に
ひとが集まっているのを見ていた。
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入場希望者が何人もいるようだ。
もうすぐ開演です。
というエヴァの声が聞こえる。
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円形の屋内は、床半分に段差のある
小劇場のようになっていた。
魔術劇場へようこそ。
ご来場のみなさんは、
魔術劇場という名前から、
奇術ショーのようなものを
想像されているかと思いますが。
とハリーが話している。
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今日は最初にご想像通りのものを
お見せしましょう。
これは世にも不思議な
ピエロの指揮者です。
ハリーが合図すると
大きなピエロが登場した。
指揮棒を振り上げて
首をふりふり、
調子をとり始めると、
屋内に、オルゴールの旋律で、
「ある愛のうた」が流れ始めた。
客席からどよめきが上がる。
どこで演奏してるの?
これすごく古い曲だね。
などと声が聞こえる。
しかし演奏は次第に
テンポが遅くなり
やがて止んでしまった。
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ハリーが出てきて、
ピエロの背中のネジを巻いている。
ご覧のように、このピエロは
体にオルゴールが内蔵された
カラクリ人形なのです。
なーんだ。という声が聞こえる。
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ネジを巻いてもらったピエロは、
再び嬉しそうに演奏を始めた。
演奏が終わるとハリーが登場して、
ご覧のように意外に思えることも
カラクリがわかると驚きは失われます。
本当の魔術とはそういうものではありません。
といった。
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ハリーが両手を差し出すと、
ピエロの体がふわりと宙に浮いた。
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ピエロはどんどん
高みに登っていく。
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やがてピエロの体は
霞のようなものに包まれ
輪郭も次第に定かでなくなっていった。
解説)
今回使用したピエロ人形は、
オルゴールが内臓されていて、
実際ネジを巻くと首を振りながら
「ある愛の歌」を奏でるという、
エピソードそのままのもので、
エピソードにもそのまま使用しました(^ ^)。
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