Apr 09, 2022

花散る春の日 そのご

b1

文学青年は肉まんをたべながら
散歩していた。

桜花散りぬる風のなごりには
水なき空に波ぞ立ちける


b2

なごりって、名残と余波(なごり)を掛けているんだ。
こういう見立ては。
と文学青年はいいかけたが、
ルルは聞いていなかった。


b3

リリスっていうひとの格好、
去年モジリアニ展にモモコが持ってきてた
人形とよく似てたね。
緑の髪の色もそっくり。


b4

あのこは、私の影響で人形マニアなのよ。
人形のコスプレするのが好きなの。
とマンスフィールドさんがいった。


b5

ドルフィンの二階の部屋をでて、
階段を降りかけていたリリスは
撮影中のエトナとばったり出会った。


b6

ひさしぶりだね。
どうやってこっちの世界に来られたの?


b7

頭に葉っぱをのせてもらって変身したの。
まさか狐じゃあるまいしって思ったでしょ。
でもそういうものだから。
ふーん。


b8

ジョー軍曹やエルマやエルザや
メラニーやジェーンは元気でやってる?


b9

よく名前覚えてるね。
みんな元気だよ。
あのドアの向こうの世界、
忘れてしまっていても、
無くなるわけじゃない。
思い出してくれれば蘇るから。


解説)
エトナはリリスたちの住む異世界に
行ったことのある
数少ない人のひとりなのでした。
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