Dec 30, 2021
師走の昼下がり
年末なので、
ケイたちは、古くなった照明器具の
点検をしていた。
これみんな電池が切れてるんだね。
さっきサラが買いに行くってでかけたよ。
新年に花を飾ろうと思ったアシュレイも、
適当な大ぶりの花瓶がないので、
サラにどこかで見つけてほしいと
頼んだのだった。
そのころ、外出したサラは
昼食をとろうとベーカリーに行き、
偶然相席になったアルと話していた。
このまえ、クリスマスイヴに
エリスたちと事務所で
忘年会されたんですってね。
うん。回文遊びをやって、たのしかったよ。
いろいろ面白いのができたんだけど、
みんな覚えていないんだ。
あれ、言葉を逆から読むくせがついたりして、
時間ばっかりたつからね。
あ、わたし買い物いかなくちゃ。
アルさんも何か買い出しに
来られたんでしょう。
年末はみんな忙しそう。
隣では、ドルフィンのスタッフが、
倉庫から行灯をだしてきて
作業をはじめたようだった。
これ、和紙を貼るんですか。
ええ、破れてボロボロになってたから、
全部除去したところ。
これから貼り替えるの。
といっている。
その隣では、ドルフィンのマスターが、
門松をこしらえていた。
随分立派な門松ですね、
とアンナが言っている、
うん。実はこれ去年の使いまわしなんだけど、
まだ褪色していないようで良かった。
晴れて風の強い師走の
ベーカリーの前の、
昼下がりのことだった。
解説)
なにかお正月風の情景を
こしらえようと思って、
和物の小物を収納した箱を覗いて
薄紙が破れた行灯をみつけて、
修繕することにしたり、
ボタン電池の切れた
小さな照明器具をみかけて集めて、
まとめて電池交換することにしたりと、
思いつきがそのまま
エピソードになっています。
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