Nov 18, 2007
不思議の国のアリスとアイス その十一
第十一章 だれがパイをぬすんだか?
遠くから聞こえてきた「裁判開始!」という声に、
アイスとグリフォンは大急ぎで裁判所にやってきました。
「ハートの王様と女王が玉座についていて、
そのまわりに大群衆が集まっていました。
トランプのカードひとそろいのほか、
あらゆる種類の鳥と獣たちです。」
王様が「起訴状を読み上げよ!」といいました。
「これに応じてシロウサギがラッパを三度吹きならし、
次に巻物をひらいて詠みあげました。」
法廷では、女王のつくったパイを盗んだ容疑で
ハートのジャックが裁かれているようです。
「第一の証人はあの帽子屋でした。
彼は片手にお茶のカップ、片手にバタつきパンを持って法廷にはいってきました。
「失礼いたします。陛下、このようなものを持ちこみまして」
帽子屋は切り出しました。
「お呼び出しがきたとき、まだお茶がすんでおりませんでしたので」」
つづく
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