Mar 27, 2007
白い腹
今 テレビの画面の中でメジロがツバキの花を
ついばんでいる
昔お父さんが庭で白い息で
「ほら、和広、メジロやで」と指さした
もうだいぶメジロをみてないな
あの黄緑色の
小さく素敵なふくらみ
白い腹
ニンゲンの会話は
小鳥のさえずりみたいなもんだと
ある人が云った
そのことをよく覚えている
ぼくの声は何をふるわせているの
夜の星空をかけぬけ
ぼくのさえずりは
あの人のもとへ送信される
あくびをする
ベッドにあおむけになって
おやすみという
寝室におやすみが広がる
ぼくは冬空に光る星や
春に咲く花の声を思う
暗やみが微弱に鳴いて
ぼくはねむりにおちる
※かたつむりずむ第1号所収
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