Nov 09, 2007

風塵

けっこうそれは近いのだ
もし呪いだとしたら
あまりにも空白であり
ところで私は充たされているのだ
あまりにも空白であり
公園の側の枯れた並木を通る
あまりにも空白であり
ところで私は充たされているのだ

死を見たと

空の姿
その思い
電線の、看板の看板
すきまの空は空気ではないだろう
物理的宇宙を滅却して
ものは現われを過ぎこして
あまりにもここにありすぎる

建物の
茶色の建物の
ところで私は充たされているのだ
それは空白であり
そこにいるようであり
すばらしい幼児のフードつきの
母親のかげろうの、幼児の叫ぶ声の
あまりにも見ることができる
知ることのない

あなた、かなたであり
知らないうちに
ポカンと
切り抜かれたあなたが

街頭をどんどん光らせていくようで
寒くなっていく

けっこうそれは近いのだ
もし呪いだとしたら
あまりにも空白であり
ところで私は充たされているのだ
それが根源的な罪であり
そして街頭はまぶしい

見ることができる
この世界にあらわれる全てのもの
霧になり夜風になり
私は歩いた
ここにいて、歩いた
見つけて見つけて

ひきとめることのできない
遅さの中で
ひとつひとつの光が
どうしても星になれず
それが喜びのように
満ち足りたように
あなたを感じることができた
という
ささらさら
あまりにも
無闇で
どこまでも光で
静かに
それは息苦しかった

大きく息を吐いた
木々がざわめいた
いつまでも無からさらに無へ移行して
風が波になり光が風になり波がおりかえして
ゆるやかな人影をつくり
また会うことができるように
大きく微笑んでいた
Posted at 22:42 in nikki | WriteBacks (1) | Edit
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ある人のブログを読んでいて書きました。
そこで感じたことをこういう形で置いとこうと思います。

Posted by 石川和広 at 2007/11/09 (Fri) 22:50:34
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