Jun 27, 2007
ゴマだれうどん
掃除の仕事に行った。しこたま汗をかいたので、今日二度目のシャワーを浴びる。雨のないこの暑さはけっこう堪える。体が熱い。診察へ。待っている間に、『血と骨』上巻を読み終えてしまった。先生に診断書をお願いして、帰り、駅で、うどん屋に入る。ゴマだれうどんとおにぎり。ゴマだれうどんは350円なのだが、ざるうどんにゴマと出しのツユをつけて、食べる。薬味も何もなく、ノリがかかっているだけだが、これが滅法うまく、この値段で、すばらしいと満足。駅のうどん屋っていいよね。電車にゆられて、駅について、『血と骨』下巻を購入。今日、朝の日記から進んで、戦時下に入るのだが、相変わらず、俊平は家に帰らず、ふらふらしている。家族が増えて二代になる。奥さんの英姫さんがしっかりしているからなんとかなっているが、普通ならとっくに家庭崩壊である。日本人と、朝鮮人の家族に対する感覚はちがっているようだ。この時代の日本人も家父長制の中を生きていたわけだが(今も家父長制なのかはわからない)ふるさとを離れた朝鮮の人の結束はなかなかに固い。いい悪いは別にして。(そこを作者も繊細に描いている)上巻の最後で日本敗戦。
ひとつ気になったのは、性描写が観念的な感じがすること。性も観念かもしれないが(ちがうかもしれない)女性の感覚の側から描いて、いかに、俊平が官能の世界に引っ張り込んでいくかを描いている。しかし僕だって、女性の感覚はわからないけれど、ホンマにこんなふうな感じなのかなとちょっと思った。
でも、こういう男むさい小説を読んでいると、自分も男なんだなあ、と思えてくる。自分の男性性を意識する。昔、ヤクザ映画を見た人が、肩をいからして高倉健のまねするというあれか。ヤクザにしても、俊平にしても、元も子もない言い方をすれば、暴力で形をつけているから、ある意味かっこ悪いのだが。かっこ悪いから男はかっこつけたがるのだろうか?長年弱虫をやっている私であるが、本当にカッコいい男になるにはどうしたらいいのか。むずかしいところだ。でも、知らず知らず、自分は男で、何か、少し力がみなぎる感じが体に感じられるときがある。少し意識がシャープになり、歩いていると、人ごみの中を(人ごみはしんどいが)スムーズに歩ける感じがした。体のめぐりがもっとよくなるとそういう感じはもっと増えるかもしれない。でも今日はやっぱり疲れたなあ。
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