Jan 13, 2007
初心に戻って
今日はデイケアで習字教室で、ノートに睦月、如月、弥生…と、月の名前を書いていた。習字の先生が「書いてみてください」と云ったので。異常気象と言われて、妙な気温の中、新年を迎えて、大寒が間近であるが、腹に沁みない冬である。たぶん、日本的抒情の否定という前に、世界のほうが、季節を否定し始めているのではないかと思ったりする。昼からは竹田青嗣『哲学ってなんだ』が読みかけだったので、読む。岩波ジュニア新書から出ていて、中高生対象なのだろうけれど、素朴に初心に戻って読んだ。デイケアの人にも勧めた。竹田青嗣は『ニーチェ入門』から始まって、色々読んだことがある。それで、私の中では、もう読まなくても自分で考えられるカナと思っていたのだった。しかし、『哲学ってなんだ』は、とても整理されていて、自分の人生に引きつけて読むことが出来た。これは大事なことだと思った 。自由が大事なのは、どうしようもないくらい、ままならないことが人生には多すぎるからだ。不思議なもので、ままならないことを何とかしたいと人間は思うのだ。何とかしようとしてあがいたり、諦めたりしている。病気になって、再度チャレンジみたいな、今の私の感じと響いている。悔いなく生きたい。この意味で、竹田の哲学はとてもポジティブだ。何とかしようとしていることに自覚的になった歴史として近代の精神を捉えている。(微妙に進歩派?)私が共感するのは、人間個々は生きるための「物語」を書いていて、それは自分自身に対しても、世界に対しても関係しているってことだ。例えば、私があなたを好きになる。これは、きっかけはよくわからないのだけど、気づいたら、あなたと私の間に、何かのかかわり(縁)が出来てしまっていて、世界のありさまが変わる。それがさらに次のステップへ向かっていく、これは確かに自分の物語の「書き換え」だというように…本書では恋愛についてはあまり書かれていないが、竹田の「欲望」と云う言葉は「恋」という言葉がよく似合う気がする。ごく個人的な感想ですが。
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