擬態
清水鱗造
○切り株柱
人間にはちょっと皮肉が効いた名前だが、その形がちょうど切り株のように見える多肉植物。上面には年輪のような模様があって、切り株のひこばえのように葉ができる。
成長しても太くなるだけで上にはほとんど伸びない。
○葉脈草
地面に落ちて腐り葉脈だけが残った形の植物。なぜこのような擬態があるのかは、よくわからないらしい。
金色に近いので、地元の人たちはさまざまな飾りに使うという。
○髑髏草
白い実が髑髏の形で、人間や馬などの頭部の骨のバリエーションがある。
日の当たる場所の実の表情は真面目に見え、岩陰に成る実は笑いを感じさせる。
実が成る時季には子どもたちがザルに入れて遊ぶ。
よく金魚草の種の鞘が髑髏とそっくりであることが言われるが、髑髏草の場合は、形よりも硬い白い実の黒い骨の模様が似ているところが違う。