2018/5/5(SAT)
177-3 <ページ>
12月のある朝ふとんの中で ミステリーを読んでいた 寒いので左はふとんの中 右の親指と人差し指で 次のページをめくった アレ? 半ばかじかんだ指先が 疑いを告げる 1ページじゃないんじゃない?
カラスが鳴き始めた 世界を2ページとばしてめくるわけにはいかないよ 指先にぬくい息を吹きかけ 目に力を込め 口をつぼめ ページのふちをすり合わせること 二度三度、四度五度
カラスが発声練習を終えた 根負けしたページがうなづく (どうだ) 冬でも起き抜けでもさびしくてもくたびれぎみでも カラスに今日の声を奪われても おれの中をまだ生き物が駆けている
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