2016/11 [HOME]

++ 日記 ++

2016/11/28(MON)
ある名簿をめくり、新しくつくった詩集を送りたい人の名前の前に丸を付ける。送らなければならない人の名前の前にも。「あ」、からはじめて、「わ」、まで。5000人ほどの中のばらばらの一つかみ。とはいえ、一人の人に送るのに3、400円かかる。メール便ならずっと安いのに。いったいいくらかかるんだろう。なんてつぶやきながら、「あ」から数えはじめて、124人。ほんとかな。半分自分が信じられない。2回目、「わ」から「あ」まで、目をしばたきながら、133人。あれ?ダメだ、こりゃ。明日、数字に強い妻に頼もう。あくる日、妻の1回目、116人。あやしい。次は慎重に50ずつチェック。100までOK、そして最後は124、ぼくの1回目と同じ、これが正解。そうか、よかった。と思いながら、確認の意味で、50までチェック。ところが50までで2人ちがう、あれれ、ああ、しょうがない、しからば最後の切り札、赤い丸の下に小さく番号、1,2,3,4…そしたらなんと、最後の数字は127!
だがこれが本当の数字か、信じていいのか、番号を飛ばしてないのか、番号のつけ忘れはないのか、5つのどの数字を信じればいいのか、疑いの芽がゾクゾク、もう、きりがない。

2016/11/16(WED)
133
部屋に入るとすぐにつけてたんだね
ムイシキに
つけたつもりで消しちゃって
あれ?と思って
パチパチやって
そんなにあわてていたわけでもないんだけど
ごめん
名無しのストーブ


134
きょう4人目の孫ができた
男の子
娘は貧血がひどかったりしたから
心配で
一時間おきにスマホでメールを待っていた

ぼくは薄情な親で
二人の娘の出産に立ち会わず
外国に行って
帰国してから別居していたので
世話らしい世話もせず
一回ぐらいおむつを当ててみろと
母に強要されてもしなかった

だからこんなに心配したのは
はじめてで、
親の気持ちが今、わかった
世間並みになった

2016/11/14(MON)
さっきから
白い領域を眺めていてもなにも飛び立たない
いっそ目をつむれば
ホラ
まぶたのうらに見たことのない模様が見える
どんな意味も
どんな**も持たない ただ
ピンクが走り
銀色はたしかに明滅する
まぶたのうら

これについて考え
これについて文字を組み
これについて…

イヤ
ただ、言葉で刻みたかったんだ
ここまで読んでくれた君に
伝わるように
まぶたのうら




132
さっきから
真っ白な領域をながめているが
なにも飛び立たない
いっそ目を閉じると
ホラ
まぶたのうら
意味なく
形なく
色はピンク
それにシルバー

これについて考え
これについて言葉を組み
これを位置づけるには…

イヤ
ただ言葉で形を与えてあげたいんだ
モノ言わぬ
まぶたのうら

2016/11/13(SUN)
131
農家の親せきから立派な大根を5本もらった
ふろふき大根、おでん風煮込みに続いて
今日は大根サラダを作ろう
つまようじほどの千切りにしたいから
円柱に置いた大根に直角ににごく薄く包丁を入れたい
うすくうすくまっすぐ
まっすぐうすくうすく
けれど現実は3,4枚目に斜めに刃が入り
中ほどでちぎれたり下のほうが太くなったり
現実をまっすぐさばけない
どうしてか斜めに揶揄する日があり
どうしても吐き出せない思いがたまる
けれども
ちぎれても太くなっても
切り口から水の滴る大根は大根
今日のうまさに変わりはない
たぶん

2016/11/9(WED)
130
この冬初めてのアラレがアスファルトをたたいた日
アメリカで次の大統領が決まった
このひどい天気
天気は天の気分そのものだとしたら
どうして今日はそんなに不機嫌なのか
地上のヒトたちのせいなのか
あの純白のつぶてたち





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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)