Jun 18, 2006
辻さんのこと
大人数の家で育ったせいか、置いてけぼりにされやすい性格で、話題中のことや、事件などもすぐに反応できない。「街」の10周年記念号に「始めて以来の代表句10句」を提出すること、というので、自分の代表句を考えてみたところ、はじめて余白句会に行った時、天をとった句があるのを思い出した。
さんま焼けて長い皿さがす
でもこれは俳句になっていない。落とすことにする。
井川さんのネットを繰って見た。
辻さんが天を入れてくれてる句がいくつかあるので、びっくりした。
ざるそばのつゆに浮きたる七味かな
蚊の声や一日中の読書かな
切れ字重なりで、これもだめだが、そんなことまったく気にしないのが辻さんだった。
小沢師匠は
人食った後の昼寝やとうがらし
に天をくださっている。
なつかしいなあ、としばし呆然とする。 余白で15年、いま、これらの句を読むと、場になじもうとして一生懸命な自分が見えて、痛々しい。芸事は真似からとは言っても、15年は馬鹿だ。結局化けの皮がはがれて、落っこちてしまう。早めに自分に徹しなかった報いということなのかなー。かろうじてこの中から自分の句を取るとしたら
入社して歯車の名を覚えいて
秋風や千円札の漱石氏
にしようと決めた。
辻さん、ありがとう。亡くなってさびしいです。
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