Apr 15, 2006
ジャック・ラングの仕事
「パワナ」について書いたとき、ミッテラン政権時代の文化大臣ジャック・ラングのことを、久しぶりに思い出した。社会党政権がつぶれてから、フランスの社会は、保守の揺り返しの時代に戻り、私のイメージでは、小泉政権が日本中に蔓延する既得権益の切り崩しに骨身を削った(ようにみえて、じっさいはひそかに元に戻ってしまったとも言われている)が、長生きする権力者というのは国民にとってつらいものだ。政権を離れた元文化相は、いま北の炭鉱町ランスにルーブル美術館の分館をつくる仕事をしているそうだ。2009年に完成予定というから、ベルギーのボードレールのゆかりの町を訪れ、ムーズ川をさかのぼって、新設の美術館を見学する旅行をしたいと思う。長年、南の、ロンスヴォーにも行きたいと思っている。わたしがラングファンである理由のひとつが同い年であること。北部ヴォージュ県出身の弁護士である。もうひとつ一番大きな理由は、彼の右目の角膜が日本の青年にプレゼントされていること。20年以上前の話だ。昨年末京都で講演したときの写真を新聞で見て、年をとったな、との印象を持った。(日本人はフランス人と比べると、10歳は若く見えマース!)
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