May 09, 2019
セルクル第18回と19回は4月3日(水)と5月8日(第2水)に無事終了しました
第18回セルクルは4月3日(水)6階のルーム7で、細田、金沢、ディエゴ、田中、志村、野村、有働 の7名で、1時からのイタリア詩はディエゴ三のレポートでダンヌンツイオ(III)、3時からのフランス詩は金沢つとむさんのレポートでエドガー・ポー「ユリイカ」を読みました。テキストは岩波文庫2008年7月刊の八木敏雄訳のポオ作「ユリイカ」です。なぜフランス詩の枠でポオの「ユリイカ」を読むかと言えば、ボードレールが『悪の華』で完璧な定型詩を完遂した後、さらなる詩の可能性を散文詩に求めたのは、「ユリイカ」に触発されてのことだったからです。ポーはボードレールの生涯の先達でした。レポーターの金沢さんは岩波文庫の50ページから63ページまでを拡大コピーして皆さんに配りました。この部分にはニュートンの引力と斥力を宇宙天体の重力として説明した部分です。他にアインシュタインの宇宙のひずみを説明するために、ポリウレタンの構造装置まで持ち込まれました。 宇宙は完全な球体ではなく、重力の移動によってどのような形にも歪むという考えです。物体が動くと重力が移動し、大きな重力の集中するところに小さな物体は吸い込まれていくことをブラックホールとして説明されました。さらに宇宙銀河の大判のカラー写真2枚も配られました。 現代詩の関心が行き着くところはやはり宇宙なのではないでしょうか。セルクル第19回は大連休明けの5月8日(第2水)東京芸術劇場5階ルーム2で、西宮、志村、細田、田中、野村、ディエゴ、有働の7名で(金沢さんは仕事で出られず)、イタリア詩はアルダ・メリーニ、フランス詩はマックス・ジャコブがレポートされました。アルダは1931年生れのミラノ出身の女性詩人です。ディエゴさんのレポートでは、愛と詩と神秘をテーマにした「接吻よ」、「昨夜は愛情だった」、「詩人たちは夜に活動する」、「決してやってこない夜たちがある」の4篇が説明されました。結婚3回4人の娘、10年間の精神病院生活など、個性の強烈な自我の強い女性詩人で、死後(2009年11月)に評価された。日本語訳はディエゴさんです。
フランス詩はマックス・ジャコブの散文詩=アフォリズム、断章詩、散文詩集『さいころ筒』中の「地平線」、「火事」、「戦争」と、最後の詩集から苛烈な「隣人愛」が読まれました。細田さんのレポートは細田式漫談レポートで、あちこちに話題が跳び、細田さん自身の現況や、日本詩人の批評など、いつもながら実に多彩です。10日間の大連休明けで、ディエゴさんのレポートも30分オーバー、4時半過ぎに会が終わったときには全員くたくたでしたが、充実したレポートでした。次回は最終回、自作詩朗読とスピーチ、卒業式の予定です。6月5日(第1水)1じから5時まで4時間ぶっ通しの長丁場です。メンバーの皆さんは自作詩を7部コピーして持参してください。
なお、セルクルのスケジュールは六月の20回目を持って終了ですが、10月2日(第1水)にセルクル・ビスとしてフランス詩ジュール・ラフォルグを野村龍さんのレポートで読みますので、今から予定しておいてください。