Jul 25, 2016
過去の言葉を捜さずに、今の言葉を作ろう
70代も後半に入ると、人の名前が出てこない。自分だけに限ったことではなく、同世代の友人たちも同じような現象を示すのだから、孤立感はない。家に篭って机に向かっている時間が多いので、対話が不足していると、やや危険をおぼえるが、対話を求めて街に出かけていくのも面倒くさい。一人でいれば充分充実しているのだから。26歳ほど驚異的に生きたスーが死んで2年半、話しかける相手のお代わり君を、残された当初は欲しいと思ったが、今はさまざまなことを考えると、もうひとりで良いと決めた。あれ以上の友は見つかるまいと。その代わり、時々電話できる相手が戻ってきたので、今の自分のキャパにちょうどいい友を見つけたといえる。そして、もうでて来たがらない過去の名前を探すより、今の自分を軸にしたネーミングで語る方がずっと効率が良いと思い当たった。ほらほら、あれあれ、は止めよう。終焉前のワードメイキング、これってマラルメが試みていたことじゃないか?いま講座のためにマラルメを勉強しています。好感、好漢、健気で純なところがまったく日本人好み。ルネ・シャールと真反対で、二十歳になったとき兵役検査さえ落第するほどの貧弱な肉体の持ち主、とても「国家防衛」力にはなれない、だが時々いるよね、貧弱な肉体の器に強靭な精神を湛えている人間が。
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