Sep 02, 2005

フランソワ・オゾン

の映画『ふたりの5つの分かれ路』とは、何とぼけたタイトルにしたことだろう。原題は『5x2』。このほうがずっと明快なのに。たぶん、3,40代の女性客をねらったネーミングなのだろう。それほどに女性上位のストーリー。あるいは、男の心にしつこくこびりついた「永遠の女性」のイメージ。それほどにヒロインの女性は美しい。というより、フランス男がどんな女性を美女と思っているかがこれほどはっきりわかる映画もあるまい。ギリシャ系かなと思われる、金髪碧眼の大柄な女性。大型犬か、白豹のようだ。そして咬みつく。移り気で、我慢しない。欲しいものは盗る。だが上品で、知性もある。しばらく男を幸福にさせ、そして終る。正直でいいかも。切れの良いスコッチのようだ。音楽が際立つ。まず、ボビイ・ソロの60年代の甘いメロディー。これドーナツ盤で、歌詞を暗記したことがある。シチズンにイタリアの技術者が来ていた頃。そしてその系統のラインアップが最後まで続く。1967年生れの、センスと頭の切れる監督の、スカッとする作品だ。
 座らんと廻るスカート夏木立 薫
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